アメリカの暮らしを日本へラルフ・ローレンの
インテリアデザイナーの家
インテリアデザイナー、テキスタイルデザイナー、そしてバッグデザイナーとして、アメリカの『ラルフ・ローレン』に26年間勤務した澤田昭義さん。現在は日本に戻り、佃のタワーマンションに住居を構え、日本とアメリカを年の半々づつ行き来する生活を楽しんでいる。
「『ラルフ・ローレン』で仕事をする前にも、ヨーロッパとアメリカに住んでいたので、かれこれ40年近く海外で暮らしています。インテリアデザイナーとして仕事をしながら、多くのインテリアコーディネイトのルールやセオリーを身につけていきました」
『ラルフ・ローレン』では年に2~3回、5つか6つのショールームを作っていたそうだ。
「たとえば、パリに住んでいる女のコ、英国の紳士、ロングアイランドのおばあちゃん、といったその年のテーマに沿ったコーディネイトをしていきます。同じブルーでも、ギリシャのブルーとハワイのブルーでは違いますよね。どこでどんな人が住んでいる部屋なのか、イメージをしっかりと作っていきます」
可能であれば同じものを2つ購入する
シンメトリーなコーディネイトをする際、対になるものが2つ必要になる。シンメトリーに飾らなくても、2つ連続させることで、空間にインパクトとまとまりが生まれる。
「アンティークのものなどは同じものを2つ手に入れることが難しい場合もありますが、可能であれば対になるものを揃えるようにします」
お気に入りのアンティークをひとつ購入し、違う店で対になるものを発見したら、運命だと思って手に入れるしかない。
ルーツを語るストーリーのあるものを
ベッドルームには日本的な鶴の絵が飾られている。それは、澤田さんが日本人だからなのだそうだ。
「アメリカでは、家に人を招くことが前提です。部屋の飾り付けは家人の腕の見せ所になるわけです。その際、お客様に家族のルーツや文化を見せることが大切になります。たとえば、北部の出身ならばストーブを、サンタフェ出身ならば牛骨を飾ります」
家の主が何を大切にしているのかがわかる設え。そしてそれについてお客様と話がはずむ家であることもおもてなしのひとつなのかもしれない。
澤田さんのお宅を訪ねたなら、たくさんの絵やひとつひとつ吟味されたオブジェから、会話がどんどん広がりそうだ。