マンションで多肉を楽しむ 愛情をたっぷりと
失敗しない多肉植物の育て方
育てやすいとの情報から?ブームとなった多肉植物。しかし、実際は失敗してしまった人も多いのではないだろうか。
「水やりの回数が少なくてすむことから、育てやすいと思われたのかもしれませんね」というのは多肉植物のアレンジを提案する「TOKIIRO」の近藤さん。
「人間と同じく“生きている”ことを知るのが大前提です。生き物ですから、光と水は当然必要。でもそれさえ忘れなければ、ほかの植物より断然扱いやすいし丈夫です」。
ユニークな形状と、ふさわしい環境であれば何十年も生きるたくましさ。知れば知るほど愛着がわいてくる多肉植物を、マンションで元気に育てるには? 知っておきたいポイントを教えてもらった。
[1]定位置はベランダに
インドアグリーンとしても活用したい多肉植物。しかし砂漠に生息することからもわかるように、直射日光に近いほどの光を必要とする。だからマンションで育てるには、日の当たるベランダがベスト。
「ベランダといっても、マンションによって光の入り方が違います。床に置いていたのでは十分に日光が届かないことが多いのでは」。光が足りないと日光を求めて頭が伸びてきたり、間延びしたりして、形が違ってくることも。
「おすすめは光が当たりやすいように、棚などを利用して高い位置に置くことです。買ったばかりのときに写真を撮っておいて、1週間後にチェックしてみて下さい。変化があればその環境に問題があるということ。まず置き場所を見直してみるとよいでしょう」。
[2]水やりのタイミングを知る
多肉植物にとって光の次に大切なのが水。ただしあげすぎると根腐れしてしまうことも。
「もともと厳しい環境で育ち、体内に水を蓄えているものだから、与え過ぎは禁物です」。水やりの頻度は、何日に1回などと決まっていれば分かりやすいが、一概にはいえないそう。
「触ってみて確かめるのがおすすめです。ある程度固さがあれば水は足りていますが、ぷにょぷにょしているときは水やりのタイミングです」。初心者にありがちなのは、下の方の葉が枯れてきたら大慌て! すぐに水を…と思いがちだが、これは成長の過程なので慌てずに。
「時々、木の棒をさして乾き具合を確かめるのもよいと思います。この場合も、乾いてきたらすぐに水を与えるのではなく、1週間ほどあけてから与えます。乾いたときがないと生きようとする力が少なくなるんです」。厳しさによって鍛えられるのは、人間と同じ…。
「ただし、水をさすときは鉢の下から流れ出るくらいにたっぷりとあげます。こうすることで老廃物なども一緒に流してくれます」。
水やりの後は光の当たる場所に。光合成を促して、成長のシステムを回していくことが大切だという。