ToKoSie ー トコシエ

日本の文化に囲まれる都心の景色と日本酒を愛する
ニカラグア駐日大使の住まい

決め手は眺望

ニカラグア共和国駐日特命全権大使ロドリゴ・コロネル氏の住まいがあるのは、東京都心にある47階建の高層マンション。2018年に駐日大使として来日、日本で暮らし始めてから1年が経つコロネル大使のもとを訪ねた。

「ここを選んだ決め手は、何よりも眺望です。毎朝起きてから、この景色を見るたびに日本にいることの嬉しさを噛み締めています。夜もまたイルミネーションが綺麗で、朝とは違う東京の別の一面を見ることができますね。間取りのことはあんまり気にせず、景色を最優先。大使館に近いところで物件を探していて、2、3軒ほど見たんですが、ここが一番見晴らしが良かったんです。たくさん窓があるので、太陽の光もたくさん入ります」と話すコロネル大使。

最小限の家具とお気に入りの日本の民芸品が飾られたリビングルーム。窓からは東京タワー、東京スカイツリー、レインボーブリッジ、新宿のコクーンタワーなど都心のランドマークを一望できる。

窓際の台にはオーダーメイドのゴザが敷いてあり、その上に寝転んで景色を眺めるのがお気に入りだという。
窓際の台にはオーダーメイドのゴザが敷いてあり、その上に寝転んで景色を眺めるのがお気に入りだという。
日本各地の民芸品が壁に並ぶ。岐阜県からプレゼントされたという提灯は大使自ら部品を集めて手作りの照明のランプシェードとして使用している。提灯に描かれているのは、「長良川の鵜飼」。
日本各地の民芸品が壁に並ぶ。岐阜県からプレゼントされたという提灯は大使自ら部品を集めて照明のランプシェードとして使用している。提灯に描かれているのは、「長良川の鵜飼」。
信楽焼のかわいい狸が出迎える玄関。
信楽焼のかわいい狸が出迎える玄関。
AEG製のビルトイン洗濯機を据えたホテルライクな設えの洗面所。
AEG製のビルトイン洗濯機を据えたホテルライクな設えの洗面所。
コロネル大使のベッドルーム。畳ベッドを愛用している。
コロネル大使のベッドルーム。畳ベッドを愛用している。
来日前より取り組んでいるという瞑想の専用ルーム。
来日前より取り組んでいるという瞑想の専用ルーム。
ゲスト用のベッドルーム。窓には都心の景色が広がる。
ゲスト用のベッドルーム。窓には都心の景色が広がる。

日本の文化に惹かれる

ニカラグアで見ていた日本のアニメを通して、日本に興味を持ったというコロネル大使。実際に来日にしてからは、アニメ以上に日本の文化そのものを好きになったという。「良い意味でビックリしました。人や食べ物、景色、すべてがパーフェクト! 特に気に入っているのは、お箸の文化です」と話すコロネル大使に案内されたキッチンの棚には、和食器が並ぶ。

「オフィシャルなディナーとかではなく、友人や一緒に仕事をした人たちが集まるようなホームパーティをよく開くんです。その時に、お酒に合う居酒屋のおつまみのような料理を、大きなお皿ではなく、小さなお皿にちょこちょこと盛り付ける感じで振る舞うんです」。
そう語るコロネル大使は伝統文化だけでなく、日本の国民性にも惹かれているという。「日本人の多くは威張らないで、周りの人たちに気づかって行動するじゃないですか。でも、長く付き合っていくと、打ち解けて距離が近づく。そうして、友達になるのが本当に良いですね」

箸や匙に加え、様々な種類の焼き物皿も。
箸や匙に加え、様々な種類の焼き物皿も。
日本酒好きなコロネル大使。日本各地の地酒やニカラグア産のラム酒が棚を埋めている。
日本酒好きなコロネル大使。日本各地の地酒やニカラグア産のラム酒が棚を埋めている。
新宿御苑で開かれる「桜を見る会」で配られた升も愛用中。
新宿御苑で開かれる「桜を見る会」で配られた升も愛用中。
お気に入りの群馬の地酒「甘楽にひとめぼれ」を様々な形のお猪口に注ぐ。
お気に入りの群馬の地酒「甘楽にひとめぼれ」を様々な形のお猪口に注ぐ。

もっとニカラグアを知ってもらいたい

駐日大使としての活動を一言で表すと「ありがとうツアー」というコロネル大使。
「日本人ひとりひとりに、ありがとうを伝えたいんです。なぜかと言うと、日本の皆さんの税金がニカラグアへの援助となっているからです。それが一番のプライオリティですね」。
コロネル大使は、日本人にニカラグアのことを知ってもらうための草の根的な活動を行なっている。
「私たちニカラグア人はすごくハッピーで賑やかな民族なんです。それを皆さんに見てもらいたいんです。だから、週末に駒沢公園や上野公園など大きな公園で開催しているイベントに出店して、ニカラグアのコーヒーや民芸品を紹介したり、小中学生を大使館に招待して、または逆に小中学校を訪ねてニカラグアの文化を紹介するということをやっています。普通の大使館であれば、例えば国連のフォーラムやシンポジウムなどで、他の大使たちや政治家を相手にして紹介するんです。でも私は公園でコーヒーを出したり、民芸品を紹介したり、居酒屋に行って友達を作ったり、電車に乗ったりする。そういうことの方が意味があると思うんです」
自前の袴に着替えたコロネル大使。凛とした立ち姿が美しい。
自前の袴に着替えたコロネル大使。凛とした立ち姿が美しい。
ニカラグアの衣装を身につけたコロネル大使は爽やかでダンディー。
ニカラグアの衣装を身につけたコロネル大使は爽やかでダンディー。
ニカラグアのホストタウンとして交流を持つ群馬県の甘楽町のはっぴを羽織る。
ニカラグアのホストタウンとして交流を持つ群馬県の甘楽町のはっぴを羽織る。