11年目のリフォーム毒をピリリと効かせた
ヨーロッパの空気感を纏う
壁はシックなオリーブグリーンに
「家を選ぶ時に大切にしているのは、窓からの景色です」と、片柳玲子さん。リビングの大きな窓から見えるのは、隣接する世田谷区内の大きな公園の気持ちのいい緑だけ。
「ここは新しいマンションができたと聞いて軽い気持ちで見に来たのですが、窓からの眺めがとても気に入ってしまって、購入を決断しました」
入居と同時にリフォームをすることも考えたそうだ。
「けれど、真新しい壁や床がもったいないと思い直しました。キッチンの壁を塗ったりキャビネットを作ることはしましたが、それ以外は手を入れませんでした」
そして11年目に、念願のリフォームを施した。壁をシックなオリーブグリーンに変え、床をヘリンボーン柄に貼った。
「壁の色は、他の色との相性がよいオリーブグリーンにしました。ヘリンボーンの床はぜひやりたいことのひとつでした。ラグも引き立ちますし、空間に表情が出るんです。犬が床を傷つけても目立たないのもメリットですね(笑)」
美的に散らかっているのが理想
かつてアムステルダムに7年間暮らしていた玲子さん夫妻。インテリアの好みは、その頃に受けた影響が大きいとか。
「壁の色などはスモーキーで、祖母の代から受け継がれている家具に、自分の好みをプラスしていくような住まい方です。少し毒があって、美的に散らかっている空間が好きなんです。健康的なアメリカンなインテリアともまた違うテイストですね」
少しの毒を配する玲子さんのセンスが、この家をほんとうに素敵にしている。キノコやカタツムリといったアイテム、錆びた金網を貼ったキャビネット。猿がそこここに登場するのもおもしろい。
「ついつい猿のものに目がいってしまいます。かなりの猿好きみたいです(笑)」
室内の緑が公園とテラスを繋ぐ
室内に置かれたグリーンが、テラスの緑、そして公園の大樹とのつながりを感じさせる。
「グリーンは、湘南の『グレナ トレド』に相談をしています。マンションの室内は空気が動かず植物にとって難しい環境ですが、『グレナ トレド』は条件に合った植物を上手に選んでくれます」
リビングの大きな窓から、公園の緑が目に飛び込んでくる。
「朝、リビングのカーテンを開ける瞬間がとても気持ちがいいです。お天気がいい日はもちろん、しっとりとした雨の日の佇まいも好きです。夕暮れ時も素敵です。キャンドルをつけて、あたりが暗くなっていく時間をゆっくりと楽しんでいます」