緑の中を小鳥が自由に飛び回るガラス張りの店舗スペースを
リビングに
パレットで自在に空間を使いこなす
アメリカから帰国後、毎年引っ越しを繰り返してきた建築デザイナーの平井龍之進さん。けれど、この家に腰を落ち着けてからは約2年が経つ。約100㎡の広さがある、店舗スペースと住居スペースをひとつにしたユニークな構造が気に入ったのだそう。
リビングとして使っているのが、店舗用として作られた三方がガラス張りのスペース。陽当りの良さを生かしてたくさんの植物を育てている。床がコンクリートなので、水やりの際に気を使わなくて済むのがラクなのだそう。オーストラリア系の植物をはじめとしたさまざまなグリーンが置かれている。テラスの水やりはタイマーで管理している。
リビングのコンクリートの床の一部はパレットが敷かれた小上がりとなっている。
「パレットは積み重ねることでベンチになったりテーブルになったりします。家でワークショップを開いたり、大人数のホームパーティをすることもあるのですが、パレットを使って自在にレイアウトを変えています」
ラフなインテリアで心地よい空間に
龍之進さんのお宅の居心地が良いのは、あえて粗雑な雰囲気を心がけているからなのだとか。ジェルバゾーニやヴィトラ、アルテック社などの名作家具の数々が、パレットやコンクリート打ち放しや集成材といったラフなものの中に置かれているバランス感覚がとても心地よい。
取材に訪れたこの日は、建築事務所の後輩が泊まりに来ていた。
「ここ荒川区の町家は街もとても面白いです。水泳の北島康介さんの実家のお肉屋さんがとてもおいしくて、昨夜はその肉ですき焼きをしました。朝食は残りの肉でステーキサンドです」
壁を抜いて動線を確保
元々、店舗スペースと住居スペースは入り口が別に作られていて、行き来ができない構造だったのだとか。コンクリートブロックの壁の一部を抜いて、導線を確保した。リビングにした店舗スペースと、ベッドルームにした住居スペースの間は、カーテンで仕切ることもある。
「ベランダへの水の配管を追加したり、ロフトを作ろうかなど、まだ手を入れたい部分が残っていますが、楽しみながらゆっくり整えていきたいと思っています」