素材のバランスで見せる大好きな鉱物と暮らす
小さな博物館のように設えた部屋
デザイナーズマンションを卒業
フリーランスの編集者・ライターとして活躍する傍ら、鉱物好きが高じて鉱物世界の新しい魅力を紹介提案する『鉱物アソビ』などの本の執筆や、「鉱物Bar」というお酒を片手に石を愛でるイベントを催しているフジイキョウコさんの住まいを訪れた。
低層住宅街にある築十数年ほどの小規模マンションの明るい角部屋だ。「以前はコンクリート打ちっぱなしのメゾネットタイプのマンションに住んでいたんです。いわゆるデザイナーズマンションで、秘密基地みたいで鉱物を置いたら映えるようなところが気に入って。でも住んでみたらやっぱり見た目重視なので使い勝手と住み心地がとても悪かったんです。それで耐えられず、このなんていうことのない住み心地の良さそうなマンションに引っ越したんです」と話すフジイさん。室内は明るく、古い家具を置きながらすっきりとまとめている。そしてその家具の中には、アンティークの標本瓶や博物アイテム、鉱物がディスプレイされており、飽きることなく見ていられる。
低層住宅街にある築十数年ほどの小規模マンションの明るい角部屋だ。「以前はコンクリート打ちっぱなしのメゾネットタイプのマンションに住んでいたんです。いわゆるデザイナーズマンションで、秘密基地みたいで鉱物を置いたら映えるようなところが気に入って。でも住んでみたらやっぱり見た目重視なので使い勝手と住み心地がとても悪かったんです。それで耐えられず、このなんていうことのない住み心地の良さそうなマンションに引っ越したんです」と話すフジイさん。室内は明るく、古い家具を置きながらすっきりとまとめている。そしてその家具の中には、アンティークの標本瓶や博物アイテム、鉱物がディスプレイされており、飽きることなく見ていられる。
気取らず暮らしやすいバランスで
「岐阜出身なのですが、綺麗な川が多くて父の好きな鮎釣りに付いていっては石を拾っていました。小さい頃からなんとなく硬くて透明感のあるものに惹かれるんです。インテリアも金属やガラスのものが好きです。道具的なものや理化学硝子など、余計な装飾がなくて硬質な質感のものばかり集めてしまって。部屋のイメージとしては、昔の個人医院や博物館のような雰囲気ですかね」と話すように、どこか質感に統一感のあるものでまとめられている。
古いものも好きで、家具は古道具店で少しずつ買い集めてきたものや、実家から譲り受けたもの。リビングでテーブルとしてつかっているものは、フジイさんの祖父が大工さんにつくってもらったという70年前のデスク。「ヨーロッパの古くて線の細い家具も好みなんですが、毎日の生活で気を使わずに使えるものがいいと思って。結局無意識で居られるものの方がいいですよね。若いときは流行の家具とか新しいものを買うこともありましたが、やっぱりなじまなくて結局処分しました。自分の好きなものが流行のものではなくガラスと金属なんだなあと改めて思いますね」。木の家具が金属やガラスと空間をバランスよく中和している。
古いものも好きで、家具は古道具店で少しずつ買い集めてきたものや、実家から譲り受けたもの。リビングでテーブルとしてつかっているものは、フジイさんの祖父が大工さんにつくってもらったという70年前のデスク。「ヨーロッパの古くて線の細い家具も好みなんですが、毎日の生活で気を使わずに使えるものがいいと思って。結局無意識で居られるものの方がいいですよね。若いときは流行の家具とか新しいものを買うこともありましたが、やっぱりなじまなくて結局処分しました。自分の好きなものが流行のものではなくガラスと金属なんだなあと改めて思いますね」。木の家具が金属やガラスと空間をバランスよく中和している。
自分なりに魅力を見つける楽しみ
毎年鉱物の仕入れに海外へ出かけるというフジイさん。その時に蚤の市や古道具屋などで自分の好きな小物を見つけては大切に持ち帰り部屋にディスプレイする。「私の好きなものは、大学の放出品だったり薬局だったり意外な場所で見つけることが多いです。お酒も好きなので、日本に輸入されていない現地の地元のハーブでつくられている蒸留酒なんかを酒屋で見つけて買ってきます」。プライベートでは友人を自宅に呼んで鉱物を見ながら買ってきたお酒を楽しむこともあるという。
「私は珍しいとか高価だとか、たくさんコレクションしている、ということよりも一つの鉱物を今日はこんな光で見たらこんな表情があった、とか自分で発見するのが楽しいんです。だから家でも自分なりにディスプレイして楽しんでいます。鉱物は成分や成り立ちも大事ですが、その鉱物が人間の暮らしにどう関わってきたのか歴史や比較的文化的な背景に興味があるんですね。だから、鉱物標本も、暮らしの中でどう愉しめるのか日々実践しているんです」。
「私は珍しいとか高価だとか、たくさんコレクションしている、ということよりも一つの鉱物を今日はこんな光で見たらこんな表情があった、とか自分で発見するのが楽しいんです。だから家でも自分なりにディスプレイして楽しんでいます。鉱物は成分や成り立ちも大事ですが、その鉱物が人間の暮らしにどう関わってきたのか歴史や比較的文化的な背景に興味があるんですね。だから、鉱物標本も、暮らしの中でどう愉しめるのか日々実践しているんです」。