整理収納アドバイザーのアイディアPart1  あるべきものをあるべき場所に “ちょい置き”でスマート生活

整理収納アドバイザーのアイデアPart1あるべきものをあるべき場所に
“ちょい置き”でスマート生活

動線を考えることから始める

インテリアスタイリストとしても活躍する、整理収納アドバイザーの村上直子さん。
「整理収納は、いかに自分も家族も楽に過ごせるかを考えることだと思っています。だから整然と片付けるということよりも、どこに何があったら快適か、かつ見た目にもキレイで心地よくいられるかを大切に考えているんです」。
もちろん引出しの中はどこもシステマチック。でも、村上さんがいちばん大事にしているのは、「あるべきものをあるべき場所に置く」こと。夫と高校生の長男、中学生の次男。男性に囲まれた4人暮らしの中で、辿り着いた快適な暮らしを見せてもらった。

「私の整理収納の基本は、まず動作を意識することからスタートします。1日の動きを考えて、ここにこれがあったら便利、というものが置ける“ちょい置き”の場所を設けます」。
家族全員が重宝しているのが、玄関とバスルームをつなぐ動線上にあり、かつリビングの入り口に位置するストレージ。
「朝はバスルームで身支度を整え、ストレージで外出に必要なものを揃えたら、玄関ホールのコートかけにかけている上着を着て出かけます。この動線があることで無駄な動きがなくなり、時間短縮につながっています」。

玄関、クローゼット、バスルームへと続く動線。外出時、帰宅時はリビングにあるこのコーナーに家族全員が必ず立ち寄る。

玄関、クローゼット、バスルームへと続く動線。外出時、帰宅時はリビングにあるこのコーナーに家族全員が必ず立ち寄る。

玄関とリビングの間に設置した、コートハンガー。オールドメゾンのラックを使用。

玄関とリビングの間に設置した、コートハンガー。オールドメゾンのラックを使用。

家族の生活を支えるストレージ

リビングのストレージは、村上家にとって要のような場所。外出時に必要なハンカチやティッシュ、カード類、アクセサリーに加え、仕事や学校関係の書類、郵便物、工具、料理レシピなど、何でも揃っている。
「あとは子どもの下着と普段着、寝間着。家と学校を往復するだけの平日の服は、全てここに揃えています。そうするといちいち着替えを取りに2階の部屋に上がったりしなくても済むんです」。
家に帰ったらコートハンガーに上着をかけて、ストレージで必要なものを取り出しバスルームへ。朝と逆の流れが展開される。固定概念に捕われず、ちょい置きできる場所に置くことで、生活に余裕が生まれる。
「無理に棚や引出しに収めなければいけない、という考えもありません。例えば、洗面所ではドライヤーがいつも出しっ放しだったので、どうしたら手間なく見栄えよくできるかと考えカゴを用意しました。ポンと入れておくだけなので、子どもも夫もちゃんとやってくれるようになりましたね」。
生活に必要なものを、統一したファイルケースと引出しで細かく仕分け。

生活に必要なものを、統一したファイルケースと引出しで細かく仕分け。

不要な書類をすぐに処理するためのシュレッダーもストレージに。

不要な書類をすぐに処理するためのシュレッダーもストレージに。

衣類や下着を、人別のケースに分けていちばん下に。家で着るものは動線上、ここにあるのがベスト。

衣類や下着を、人別のケースに分けていちばん下に。家で着るものは動線上、ここにあるのがベスト。

オープンなラックは、郵便物や学校のプリントなど、後からチェックしたいものをちょい置きするコーナー。

オープンなラックは、郵便物や学校のプリントなど、後からチェックしたいものをちょい置きするコーナー。

収納を設けなかったことで、圧迫感が避けられたトイレ。ハシゴをタオルかけに。

収納を設けなかったことで、圧迫感が避けられたトイレ。ハシゴをタオルかけに。

出しっ放しになりがちなドライヤー。ちょうど収まるカゴを見つけて、タオルハンガーにかけ、手に取りやすい位置にスタンバイ。

出しっ放しになりがちなドライヤー。ちょうど収まるカゴを見つけて、タオルハンガーにかけ、手に取りやすい位置にスタンバイ。

ボディクリーム、綿棒、日焼け止めなど、家族で使うアメニティセット。持ち運べるボックスに入れて、使用場所であるリビングにいつも置いている。

ボディクリーム、綿棒、日焼け止めなど、家族で使うアメニティセット。持ち運べるボックスに入れて、使用場所であるリビングにいつも置いている。

作業がはかどるキッチン

“ちょい置き”の実践はキッチンでも。入り口にはラックを置き、カップやトレーなどを常備している。
「家族がそれぞれ自分で取り出しやすいように、リビング側に向けて置いています。その時の料理に合わせられるよう、トレーも大小2種類用意しています」。
なるべく調理作業をスムーズに行いたいキッチン台は、
「ものが置いてあると邪魔になるので、できるだけ置きたくないんです。だから水切りは壁にかけられるようにして、必要な時だけ取り出して使えるようにしました」。
よく使う調理器具、調味料などは常にコンロの横に。
「出しっ放しにしておきたいものは、どう置くかが大事です。お砂糖やお塩はカッティングボードの上に載せていますが、お掃除の時にさっと持ち上げて下を拭けて便利なんです」。
吊り戸棚の中はカゴを活用。お弁当グッズ、お菓子作りセットなど、アイテム毎にカゴにまとめて必要なときカゴごと取り出して使う。
「そのまま平置きすると、奥のものを探し出すのが大変です。こうしておくと来客時もカゴをひとつ出せばOK。無駄な動作が減りますね」。
戸棚の中も“ちょい置き”の感覚で活用するのがいいようだ。
グリーンでゆるやかに仕切られたキッチン。入り口のラックはダイニング側に向け、家族がセルフで持ち出せるようにした。

グリーンでゆるやかに仕切られたキッチン。入り口のラックはダイニング側に向け、家族がセルフで持ち出せるようにした。

水切りカゴを壁にセット。場所を取らず衛生的。

水切りカゴを壁にセット。場所を取らず衛生的。

出しておくものは見た目と使い勝手を考えて。

出しておくものは見た目と使い勝手を考えて。

ダイニングで使うカトラリーは、そのまま持ち運べる入れものに。小さいものは立てておいた方が扱いやすいそう。

ダイニングで使うカトラリーは、そのまま持ち運べる入れものに。小さいものは立てておいた方が扱いやすいそう。

調理器具が不要、一人分ずつそのまま出せるなど、何かと便利なスキレット。よく使うので窓枠にちょい置き。

調理器具が不要、一人分ずつそのまま出せるなど、何かと便利なスキレット。よく使うので窓枠にちょい置き。

奥のものに手が届きにくい吊り戸棚は、アイテム毎にケースを活用。ひとつ取り出せば作業に取りかかることができる。

奥のものに手が届きにくい吊り戸棚は、アイテム毎にケースを活用。ひとつ取り出せば作業に取りかかることができる。

お弁当を用意するときのセット。小物などはパッケージから出しておくと、手間がかからない。

お弁当を用意するときのセット。小物などはパッケージから出しておくと、手間がかからない。

ペットボトルや炊飯器など、重たいものをワゴンに。移動させやすいのが利点。

ペットボトルや炊飯器など、重たいものをワゴンに。移動させやすいのが利点。

洗いものの前は、布巾を敷いて水切りカゴをスタンバイ。1歩も動かず準備が完了。

洗いものの前は、布巾を敷いて水切りカゴをスタンバイ。1歩も動かず準備が完了。

整理収納アドバイザー・村上直子さん。インテリアや収納のアイデアを各メディアで紹介するほか、セミナーやイベントも開催。著書に「子どもとすっきり暮らすシンプル収納ルール」(PHP研究所)がある

整理収納アドバイザー・村上直子さん。インテリアや収納のアイデアを各メディアで紹介するほか、セミナーやイベントも開催。著書に「子どもとすっきり暮らすシンプル収納ルール」(PHP研究所)がある。

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