森山尚美さんの整理収納アドバイス余白を残して美しく
ミニマルな暮らしが心地よい
家を購入したことがきっかけで、整理収納コンサルタントの資格を取得した森山さん。彼女のポリシーは、必要なものだけを揃えてすっきりと暮らすこと。「ものが多いとストレスを感じるんです。必要最小限のものを、動線を考えて収納し、いかに無駄なく、いかに時短を生んで楽に暮らせるかを考えています」。ストレスのない生活空間はどのように生み出されるのか、そのコツを伺った。
まず見せてもらったのは見事なまでにすっきりと片付けられたキッチン。「できるだけ家事にかける動作を少なくすることを考え、棚などを配置しました。食器は食洗機からすぐにそのまま後ろの棚に収納できるのが便利です」。収納のコツは、日常的によく使うものは取り出しやすい位置に、調理するときに立つ位置に近いところに調理器具を収めるなど、使いやすさを考えること。「食材などはひとめで何があるかわかるようにしておくことも大事です。保存はスタッキングできる容器に入れ、無駄なものを取り置かないようにしています」。
家族の日用品はひとまとめに。
森山邸には、キッチンとリビングダイニングの間、家のほぼ中央に造り付けの棚がある。「動線がよいので、ここに家族みんなが使うものをひとまとめにして入れています」。
子供の学校のプリントや色々な書類のファイルを下段に、薬や爪切り、裁縫道具などを中段に、いちばん上には使用頻度の低いメモ用紙や手紙などを、それぞれラベルシールを貼って収納。「生活まわりの必要なものをここにひとまとめにしています。こうしておくとどこに何があるのか一目でわかって、ものを探すストレスが減るんです」。
玄関クローゼットでINとOUTを切替える。
森山邸は玄関を入るとすぐにクローゼットが備えられている。「私は帰宅したらすぐに時計、アクセサリーを外したいタイプなんです。だからコートをかけるのと同時に、すべてリセットできるようにと考えました。逆に外出する時も、ここで身支度が整えられます」。
靴箱は、下の方のスペースを子供用に、手前の位置は夫用に。尚美さん用には奥のスペースを確保した。「私はちょっと使いづらい位置でも片付けることができるので。子供の身長に合わせた位置や、夫が使いやすい位置など、家族が片付けやすいように配慮してあげることも大事です」。
衣類は循環させ、代謝させる。
ベッドルームに隣接するクローゼットは4.7畳の広さ。とはいえ、家族4人分の衣類や布団などが納められているので、普通ならば溢れかえるほどのスペースかもしれない。「収納もほど良く余裕を持たせておかないと美しくありません。ここに収まりきらないものはリサイクルに出したりしてどんどん処分していきますね」。
ひと目見れば今持っているものが把握できるよう、扉も取り付けなかった。それによって無駄なものを溜め込むことも避けられる。「その時々によって必要なものって違うと思うんです。今、何が必要かを見極め、ものを循環させ代謝させることが大事です。収納とはものを選び取る力だと思います」。
必要なものをミニマルに揃え、それを動線を考えてあるべき場所に分かりやすく配置。そうして生まれるゆとりが、生活を豊かに穏やかにしてくれるのかもしれない。