元CA整理収納アドバイザーの片付け術Part2仕切りや小分けでスマートに
片付けは未来時間貯金

整理収納アドバイザーの要めぐみさんは、数年前まで国際線キャビンアテンダントとしてロングフライトを担当しながら、子育てしていた。
「仕事から帰ってきて、まず片付けてからでないと掃除や食事の支度に取りかかれないのが嫌でした。だから、いつでもものが定位置に収まるようシステム化することにしたんです」。
例えばリビングにあるキャビネット。生活に必要なちょっとした小物を一括にまとめ、使ったものを元に戻しやすいようにした。筆記道具、医薬品、名刺、印鑑などの他、ファイルケースにはトリセツなどをアイテム毎に収めて管理している。
「パッケージなどは外して保管することで、使うときの手間と時間が省け、見た目にもキレイです。しまう場所を決めてラベルを貼っておくことで、家族もちゃんと戻してくれるようになりましたよ」。
接着剤やフック、家具固定シートなど実に細かく分けてそれぞれをジップロックに。さらにそれらが引出しの中でごちゃごちゃにならないよう、仕切りの代わりにぴったり収まるボックスに収めている。
「よく“面倒くさくない？”と言われることもありますが、いちどやってしまうと後が楽。私はこれを未来時間貯金と呼んでいます（笑）」。

「持ちものは収納にきちんと収まる量だけ、と決めています」。
洗面や玄関など、生活用品で乱雑になりがちなスペースも余白があってすっきり。無印良品や100円ショプなどで購入するケースに、アイテム別にきれいに収めている。隙のないその様子は飛行機のギャレーのよう。
「棚のサイズなどを計測してスマホに記憶させ、いつもメジャーを持ち歩いて、ぴったり収まるものを探しています。持ちものは断捨離した反面、収納グッズを見つけるのが好きなんです」。
いちばん重宝しているのは、シューズケースだそう。
「中身がひと目で分かるし、１足ずつ片手で取り出せるのが便利です。あって良かったと思うアイテムですね」。
ボックスやケース、カゴ、ジップロック類など、要さんの収納では、ものを小分けしたり、仕切ったりするグッズが多く使われている。この活用がすっきりと美しく収納するテクニックかもしれない。

クローゼットはベッドルームにひとつ。CA時代、たくさん持っていた衣類は断捨離した。
「２年前から“私服の制服化”を実践しています。どこにでも着ていけるようなものを選び、ワンシーズン着倒して翌年には処分。だからプチプラで揃えています」。
部屋着、外出着と分けることもなく、持っているのは中間の服。だから家に帰っていちいち着替える時間の無駄もない。
「子供の学校にも行けるし、銀座のランチにもスーパーにも行けて、かつ家でも過ごしやすい1.5軍の服で１日を過ごします。コーディネートにも無駄がないように、トップスは合わせやすい白が多いですね」。
さらに、ここでも未来時間貯金の中身の見えるジップロックを使って細かく仕分け。
「ストッキングなどはまとめて入れておくだけだと、選ぶときに手間どります。何仕様なのか分かるようにメモしておくと迷いませんね」。
使いまわすものだけを揃え、整然と仕分け。どのアイテムも厳選されていて余白があるから、ひと目で選ぶことができる。
「新しいものを買い足すときは、持っているものを１枚処分してスペースを作ってから買いに行きます。色々買いたい時期もあったけれど、手放せば手放すほど心が豊かになるのを実感したんです。今あるもので足りてるんだよ、ということを伝えて行きたいですね」。