整理収納アドバイザーのシンプルライフPart1 余白があるから使いやすい 適材適所の収納術

整理収納アドバイザーの片づく仕組みPart1余白があるから使いやすい
適所適量の収納術

整理収納を学んで暮らしを快適化

横浜市郊外の高台の住宅街。整理収納アドバイザー・むらさきすいこさんは、夫と育ち盛りの長男&次男の4人家族で4LDKのマンションに暮らしている。
「転勤族なので、引っ越しの度にたくさんの荷物に悩まされてきました。片づけられなかったことをきっかけに整理収納の勉強を始め、今では快適に暮らせるようになりました」。
男性に囲まれた暮らしとは思えないほど、すっきりと美しく整えられた空間で、インテリアも楽しむむらさきさん。心地よい空間のつくり方と暮らし方を教えていただいた。
南側にテラスのある築16年のマンション。ダイニングは家族とのコミュニケーションの場でもあり、ワークスペースでもある。

南側にテラスのある築16年のマンション。ダイニングは家族とのコミュニケーションの場でもあり、ワークスペースでもある。

ダイニングの定位置を仕事場に

「注文住宅ではないし、リノベーションもしていないので、住まいに自分の暮らしを合わせていった感じですね」。
ダイニングの一角を効率のよい仕事場に。いつも座るイスを定位置とし、ここに座ったまま手を延ばすだけで、仕事や日常生活に必要なものが取り出せるように、ひと目で分かる工夫を施しつつ収めた。
「ストックはここに入れず、筆記用具、文房具などの使うものだけを収めています。大事な子どものプリントや領収書などは、ファイルケースに入れて棚の上に。外に出すと生活感が出てしまいますが、視界から消えると忘れてしまうので、これは割り切っています」。
棚の横にフックをつけてかけているのは、普段使いのバッグ。
「外出時と帰宅時、必ずここでバッグの中身を出し入れします。お出かけのときに必要なハンカチ、エコバッグ、イヤホンなど、ここにスタンバイさせておくと忘れものも防げます」。
立ちあがらず、座ったまま振り返るだけで手が届く位置に必要な書類を。

立ちあがらず、座ったまま振り返るだけで手が届く位置に必要な書類を。

バッグは棚の横にかけ、中身を引出しに収納。小分けケースを使って整然と管理。 

バッグは棚の横にかけ、中身を引出しに収納。小分けケースを使って整然と管理。 

ダイニングで使う文具類。ラベリングをして、必ずここに戻すことを徹底している。

ダイニングで使う文具類。ラベリングをして、必ずここに戻すことを徹底している。

詰め込まないキッチン収納

むらさきさんが大切にしているのは、見えない部分にも「余白をつくる」こと。引出しの中も部屋のインテリアと同じように、余白が大事にされている。
「扉や引出しの中に、ものを詰め込むということはしません。キッチン収納も余白があった方が見た目にも気持ちがいいし、アクションも減り作業がラクになります」。
シンク下はファイルケースを使って調理器具を立たせて収納。他のものを動かさなくても、ワンアクションで取り出せる。
「立たせるのが基本で、ほとんどのものは重ねませんね。食器も余白が生まれるように棚に並べ、同じ種類のものだけを重ねるようにしています」。
こうすることで、出し入れするときに他の食器を動かす手間が省かれる。
「さらに、あまり扉を開け閉めしなくていいように、よく使う食器をちょっとだけ開ければ取り出せる位置に置いたりもしています」。
よく使う1軍とたまに使う2軍を分けて収めているのもポイント。
「以前はジャンルでまとめていたのですが、キッチンツールやお弁当グッズの中には、たまにしか使わないものがたくさんあります。そこで毎日使う1軍は取り出しやすい位置に、2軍はボックスに入れて吊り戸棚の上に置いたら、すっきりしてラクになりました」。
コンロまわりで出しっ放しにしているのはコショウのみ。調理器具や調味料などは取り出しやすい位置に収めているので、作業効率もよい。

コンロまわりで出しっ放しにしているのはコショウのみ。調理器具や調味料などは取り出しやすい位置に収めているので、作業効率もよい。

ファイルケースを活用したシンク下の深い引出し。扉の裏側に小さなフックを取り付け、ハサミやピーラーなどを1点ずつスタンバイさせている。

ファイルケースを活用したシンク下の深い引出し。扉の裏側に小さなフックを取り付け、ハサミやピーラーなどを1点ずつスタンバイさせている。

シンク下の下の段。スポンジなど掃除用のストックを、種類別にしてケースに。取り出すとき迷わない。 

シンク下の下の段。スポンジなど掃除用のストックを、種類別にしてケースに。取り出すとき迷わない。 

出し入れが面倒な吊り戸棚には2軍のものを。いちばん取り出しにくい最上段には取っ手付きのケースが便利。 0241

出し入れが面倒な吊り戸棚には2軍のものを。いちばん取り出しにくい最上段には取っ手付きのケースが便利。

背面カウンターの引出し収納。ダイニングに近い位置にカトラリー類、棚上のポットやコーヒーメーカーに近い位置にカップや茶葉類、炊飯器やコンロに近い位置にしゃもじやキッチンツール類と、並べ方にもルールを設けている。

背面カウンターの引出し収納。ダイニングに近い位置にカトラリー類、棚上のポットやコーヒーメーカーに近い位置にカップや茶葉類、炊飯器やコンロに近い位置にしゃもじやキッチンツール類と、並べ方にもルールを設けている。

キッチンツールはこれだけで必要十分。文具コーナーで見つけたスタンドを使用し、立たせておくことで取り出しやすくしている。 

キッチンツールはこれだけで必要十分。文具コーナーで見つけたスタンドを使用し、立たせておくことで取り出しやすくしている。 

上段に保存容器、下段に紙袋類を。ここに収まりきらないものは、処分するようにしている。

上段に保存容器、下段に紙袋類を。ここに収まりきらないものは、処分するようにしている。

普段使いの食器類はこれだけ。同じ種類の食器だけを重ねること、隙間をあけて収めることで取り出しやすくしている。上段の左端は、料理の際に指輪を外して仮置きできる、無印良品のリングホルダーを活用。

普段使いの食器類はこれだけ。同じ種類の食器だけを重ねること、隙間をあけて収めることで取り出しやすくしている。上段の左端は、料理の際に指輪を外して仮置きできる、無印良品のリングホルダーを活用。

よく使う食器は、扉を全開しなくても取り出せる端の方に置いている。

よく使う食器は、扉を全開しなくても取り出せる端の方に置いている。

油や調味料は容器に詰め替え、立ったまま手が届く位置に。

油や調味料は容器に詰め替え、立ったまま手が届く位置に。

片づけのハードルを下げる工夫

家族が寛ぐリビングは、家族が“ここで使いたいもの”を、ソファー脇にスタンバイ。
「リモコンやコンセント、爪切りなどを小さな棚の引出しに入れています。それぞれのものに場所指定のラベルをつけているので、家族も使ったら元の場所に戻してくれます。これでいざ使いたいときにない、ということがないし、家の中が散らかることもなくなりました」。
元に戻す動作のハードルが下がれば、家の中は自然と片づいてくる。リビングには、家族4人分の洗濯ものをラクに処理できる工夫も。
「洗濯ものは室内干しをしてからテラスに出すので、干すためのバーを天井に取り付け、テラスに近いテレビボードの下にお洗濯グッズをまとめました。ハンガーを収納しているキャスターつきのごみ箱を、テレビの裏から引き出してかけていきます」。
テラスに出るときのための日除けグッズもテレビボード下に収めておき、洗濯もの干しはこの一角で完結するしくみに。
「ちょっと歩かなければいけない、というのが家事や片づけのハードルですよね。そうしたハードルをいかに取り除くかを考えていくと、ラクになりますよ」。
ソファー脇の収納とテレビボード収納に、リビングで必要なものを。以前敷いていたラグを取り除いたら、さらにすっきりしたそう。

ソファー脇の収納とテレビボード収納に、リビングで必要なものを。以前敷いていたラグを取り除いたら、さらにすっきりしたそう。

ソファー脇の小引き出し。場所指定のラベルを貼っておくことで、家族が使っても、必ず定位置に戻ってくるように。

ソファー脇の小引き出し。場所指定のラベルを貼っておくことで、家族が使っても、必ず定位置に戻ってくるように。

リビングの一角はもの干しコーナー。キャスター付きダストボックスは、フタを閉じると洗濯カゴが載せられてさらに便利。 

リビングの一角はもの干しコーナー。キャスター付きダストボックスは、フタを閉じると洗濯カゴが載せられてさらに便利。 

片づけを促すよう考えられた次男君の部屋。壁は珪藻土塗料のKペイントをDIYで塗ったそう。

片づけを促すよう考えられた次男君の部屋。壁は珪藻土塗料のKペイントをDIYで塗ったそう。

整理収納アドバイザー・むらさきすいこさん。自宅セミナー、お片づけサポートを開催中。

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