暮らしのデザインPart1  生活に合わせて細部まで整えた 自分も家族も楽できる仕組み

暮らしのデザインPart1細部まで整えた
自分も家族も楽できる仕組み

暮らしが変わると気持ちも変わる

川崎市郊外の緑豊かな住宅街に暮らす、整理収納・ライフアドバイザーの窪嶋真弥さん。6年前に家を建てたことをきっかけに、整理収納についての勉強を始めたそうだ。
「まず自分の家を片づけたいというのがスタートでした。ものの定位置を決めるのは、なんとなくではなく理由が必要。体系立てて学ぶことで家の中も変わり気持ちも変わりましたね」。
白を基調にした北欧風のシンプルな空間は、無駄なものがなく見事にオーガナイズされている。Part1では明るい日差しに包まれたLDKを見せていただく。
キッチンからは広々としたLDKが見渡せる。ダイニング脇に設けた書斎は、お子さんの勉強スペースであり、窪嶋さんのワークスペース。

キッチンからは広々としたLDKが見渡せる。ダイニング脇に設けた書斎は、お子さんの勉強スペースであり、窪嶋さんのワークスペース。

キッチン収納は引出し式が楽

「とにかく無駄な動きを省きたくて」。
毎日の家事の中心であるキッチンは、動線を考えたものの配置がポイント。シンクで使うものはシンクまわりに、コンロで使うものはコンロまわりに。また、食洗機からダイレクトに収納できるよう、日常使いの食器は背面カウンターの引出しに収めている。
「収納は引出し式をオーダーしました。棚になっていると奥のものが取り出しにくかったり、しゃがまなければいけなかったり、いちいち大変です。引出しなら立ったまま、上から取り出せて楽なんです(笑)」。
キッチン台のシンク下は、観音扉から変更することができなかったそう。そこで使い方を工夫することに。伸縮が可能なラックを設置して、調理前に水を使うタイプの調理器具をここに配置。ただ置くだけでなく、トレーの上に載せることでトレーごと引き出せるようにした。
「こうしただけであまりかがまなくてよくなり、使いやすくなりました(笑)」。
吊り戸棚には普段あまり使わない来客用の食器を。最上段にはジャンル別にボックスに入れお弁当グッズなどを収めている。持ち手つきで高い位置でもさっと取り出せるのがポイントだ。
食洗機からダイレクトに食器棚へ。立ったまま1歩も動かず片づけられる、この動線が大事。

食洗機からダイレクトに食器棚へ。立ったまま1歩も動かず片づけられる、この動線が大事。

普段使いのカトラリー類は、適正量をアイテム別に収納。食器類も引出し式なら奥の方も見やすく、取り出しやすい。

普段使いのカトラリー類は、適正量をアイテム別に収納。食器類も引出し式なら奥の方も見やすく、取り出しやすい。

観音開きの吊り戸棚には、普段あまり使わないものを。コの字ラックで空間を有効活用。ボックスにはラベリングを欠かさない。

観音開きの吊り戸棚には、普段あまり使わないものを。コの字ラックで空間を有効活用。ボックスにはラベリングを欠かさない。

コンロ下の引出し収納には、コンロで直接使う調理器具を。「深い引き出しは“仕切る”ことと“立てる”ことが上手な活用法です」。そこで、無印良品のファイルボックスと仕切りスタンドを使用。

コンロ下の引出し収納には、コンロで直接使う調理器具を。「深い引き出しは“仕切る”ことと“立てる”ことが上手な活用法です」。そこで、無印良品のファイルボックスと仕切りスタンドを使用。

シンク下には水とともに使う調理器具を。観音扉の収納を使いやすくするため、山崎実業の伸縮シンク下ラックを設置。プラスチックトレーを引き出すと調理器具をさっと手に取ることができる。

シンク下には水とともに使う調理器具を。観音扉の収納を使いやすくするため、山崎実業の伸縮シンク下ラックを設置。プラスチックトレーを引き出すと調理器具をさっと手に取ることができる。

小道具の活用でより使いやすく

キッチン脇にあるパントリーは、引っ越し前から愛用しているゴミ箱の置き場を確保するため、やや狭くなったそう。
「食材やおやつ、ペーパー類のストックなどをジャンル別に分けてボックスに入れています。おやつボックスは子どもが取り出しやすいよう、収める位置を考えて配置しました」。
それぞれのボックスの中にも仕切りスタンドが活用され、食材のストックなど、乱雑になりがちなものが整然と収められている。
「いちばん下には飲みもの類を収めていますが、付属でキャスターをつけたボックスを使っています。重いものが動かしやすいキャスターは、我が家の至るところで活躍しているんですよ(笑)」。
食洗機と反対側にあるキッチンカウンター下の収納には、来客時に使うものを。
「子ども用のボックスも用意して、お友達が来たら自分で取り出し、そのままテーブルに運ばせています。これで私の手間も減らせます」。
冷蔵庫横のパントリー。お気に入りのシンプルヒューマンのダストボックスを置くため、狭めの設計に。いちばん下にはニトリのインボックス(現Nインボックス)に別売りのキャスターをつけて活用。

冷蔵庫横のパントリー。お気に入りのシンプルヒューマンのダストボックスを置くため、狭めの設計に。いちばん下にはニトリのインボックス(現Nインボックス)に別売りのキャスターをつけて活用。

引出し式収納ケースに食材を。外袋から出してひとつひとつ整然と収納。

引出し式収納ケースに食材を。外袋から出してひとつひとつ整然と収納。

ぐちゃぐちゃになりがちな食材ストックは、仕切りスタンドできれいに整理。

ぐちゃぐちゃになりがちな食材ストックは、仕切りスタンドできれいに整理。

ダイニングに面したカウンターキッチン下の収納。来客用の食器を中心に収めている。上段には無印良品のポリプロピレンケース引出式を置き、引出し内を小分けのケースで仕切って文房具などを。

ダイニングに面したカウンターキッチン下の収納。来客用の食器を中心に収めている。上段には無印良品のポリプロピレンケース引出式を置き、引出し内を小分けのケースで仕切って文房具などを。

床にものを置かないルールづくり

「床にものを置かない」ことをルールにしている窪嶋さん。これを守ることでいつも美しさがキープされるリビングでは、グリーンをあしらいリラックスする時間を楽しんでいる。
「下の子はまだ小学生なので、リビングの一角にある書斎で勉強させているんです。学校から帰ったらランドセルなどをきちんと片づけ、朝出かけるときに自分で支度ができるよう、持ちものを収めるコーナーをつくっています」。
リビングのキャビネットの一部は、お子さんのスペース。学校関係のものはここで管理し、勉強はダイニング脇の書斎で。
「私が家事に追われていても、ほどよい距離で目が届くのがいいですね。家族も使いやすい仕組みをつくってあげれば、片づけをシェアすることができ、自分のストレスも減っていきます。整理収納を学んだことで、より暮らしを楽しむことができるようになりました」。
シンプルで居心地のいいリビング。ものの住所を決め、床に絶対放置しないことでいつもすっきり。

シンプルで居心地のいいリビング。ものの住所を決め、床に絶対放置しないことでいつもすっきり。

ワークスペース兼子どもの勉強スペース。造作の棚には仕事関係の書類や勉強グッズなどを収めるとともに、視線のいく上段ではディスプレイを楽しんでいる。愛犬のグッズを収めたワゴンも、机の下にぴったり収納。

ワークスペース兼子どもの勉強スペース。造作の棚には仕事関係の書類や勉強グッズなどを収めるとともに、視線のいく上段ではディスプレイを楽しんでいる。愛犬のグッズを収めたワゴンも、机の下にぴったり収納。

アクタスのキャビネットに子どもの学校関係のものや、生活まわりの書類を。扉のあるスペースには、色が溢れがちな本を収めている。キャビネットの上には四季折々のグリーンを。現在は長持ちして水替えの頻度も低いドウダンツツジ。

アクタスのキャビネットに子どもの学校関係のものや、生活まわりの書類を。扉のあるスペースには、色が溢れがちな本を収めている。キャビネットの上には四季折々のグリーンを。現在は長持ちして水替えの頻度も低いドウダンツツジ。

IKEAのワゴンにトイレシートやブラシなど、愛犬“わたあめ”ちゃんの必需品を一括管理。キャスター付きで移動できるのが便利。ボックスの中に突っ張り棒を利用し、トイレットペーパーホルダーにしている。

IKEAのワゴンにトイレシートやブラシなど、愛犬“わたあめ”ちゃんの必需品を一括管理。キャスター付きで移動できるのが便利。ボックスの中に突っ張り棒を利用し、トイレットペーパーホルダーにしている。

整理収納・ライフアドバイザーの窪嶋真弥さん。整理収納サポートを通して自分らしい暮らしをデザインする「DESIGN LIFE」主宰。住宅メーカー等でのセミナーを開催するほか、テレビやラジオにも出演。

整理収納・ライフアドバイザーの窪嶋真弥さん。整理収納サポートを通して自分らしい暮らしをデザインする「DESIGN LIFE」主宰。住宅メーカー等でのセミナーを開催するほか、テレビやラジオにも出演。

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