整理収納アドバイザーの片づく暮らしPart1  収納は隠さず“見せる” ラクできるLDKの整え方

整理収納アドバイザーの片づく暮らしPart1 隠さず“見せる”収納で
LDKを整える

“ 何だろう?”のない収納を

無印良品で生活雑貨の商品開発を担当していた水谷妙子さん。現在は「見える」「わかる」「できる」収納をテーマに、整理収納アドバイザーとして活躍されている。
「以前は“隠すこと”が収納だと思っていたんです。実家が新潟の兼業農家で敷地面積が広く、使わないものは何でも納屋に収める習慣があったからだと思います(笑)」。
自らの収納システムを構築してからは、毎日の暮らしがラクに。3人のお子さんとテレワークが多い夫、5人家族で暮らす4LDKのマンションは、すっきりとして余白が感じられる。
「試行錯誤をして辿り着いたのは収納の“見える化”でした。日本の住宅って、ものを見えなくする様式だと思うのですが、その中で暮らしながらも、工夫してぱっと見て見える、わかる、ができれば、家の中をキレイにしておくことは簡単。“何だろう?”が発生しないことが、暮らしやすさにつながると思っています」。
Part1では、そんな水谷さんのリビングとキッチンを公開していただいた。
時計や花など飾るものを想定してグリッドを決め、サイズを測って設えたオープンな壁面収納。無印良品時代に海外出張して購入したものなどをディスプレイしつつ、リビングダイニングで使うものも置いている。
時計や花など飾るものを想定してグリッドを決め、サイズを測って設えたオープンな壁面収納。無印良品時代に海外出張して購入したものなどをディスプレイしつつ、リビングダイニングで使うものも置いている。

飾りつつ収める壁面収納

LDKの壁面収納は、3年前のマンション入居時に、オーダーして造ったもの。収めたいものを想定してグリッドを組み、サイズを設定して依頼したのだそう。
「飾りつつ収納できるスペースが欲しかったのでオーダーで設えました。上の方の段でディスプレイを楽しみつつ、下の段に仕事関係のものや子どもがリビングで使うものなどを収めています」。
煩雑になりがちな領収書や学校のプリント、取説など家中の紙書類もここに一括に。よく使うものはオープンな場所に、保管しておくものは扉のある下の段に入れている。
「仕事関係の書類は、ダイニングテーブルの私の座るイスにいちばん近いスペースに収めています。振り返れば手に取ることができるので、出し入れがラクなんです。子どもの文房具スペースもありますが、オープンなのでお片づけのハードルが下がり、進んでやってくれますよ」。
その収め方にもそれぞれのルールがあり、ワンアクションで出し入れできるよう工夫が施されている。
壁面収納の下の扉を開けると現れる、大人用の文具コーナー。現物を見れば分かるものはそのまま、煩雑な書類はラベリングをして管理している。
壁面収納の下の扉を開けると現れる、大人用の文具コーナー。現物を見れば分かるものはそのまま、煩雑な書類はラベリングをして管理している。
ダイニングテーブルで勉強をしたり絵を描いたりする子どものための文房具コーナー。事務用のレタートレーにボックスを載せた収納方法は、子どもでも出し入れしやすく重宝している。 
ダイニングテーブルで勉強をしたり絵を描いたりする子どものための文房具コーナー。事務用のレタートレーにボックスを載せた収納方法は、子どもでも出し入れしやすく重宝している。 
水谷さんの仕事道具コーナー。座ったままで手が届くよう、いつも使うイスの後ろにスタンバイ。郵便物やレシート、ケーブル、USBメモリーなどを置いている。
水谷さんの仕事道具コーナー。座ったままで手が届くよう、いつも使うイスの後ろにスタンバイ。郵便物やレシート、ケーブル、USBメモリーなどを置いている。
アイテム毎に文房具を入れた小引き出しは、引き出しをあえて一段ずつ外して使っている。「中身が見えるし、すき間から手を入れて取り出すことができるだけでなく、片づける時も投げ込めるので便利です」。
アイテム毎に文房具を入れた小引き出しは、引き出しをあえて一段ずつ外して使っている。「中身が見えるし、すき間から手を入れて取り出すことができるだけでなく、片づける時も投げ込めるので便利です」。
手帳やペンなどの持ち歩くものは中身の見えるポーチにひとまとめに。メッシュのポーチには講演会で必要なケーブルやUSBメモリなどを。レシート類は年度別にファイルに仕分けしている。 
手帳やペンなどの持ち歩くものは中身の見えるポーチにひとまとめに。メッシュのポーチには講演会で必要なケーブルやUSBメモリなどを。レシート類は年度別にファイルに仕分けしている。 
不要な書類は処分し、とりあえず取っておくものを一時用のバインダーに。その際、子ども用・事務用などマスキングテープで決まったカラーに分けることで、さらに残すことになったときも保管先を見つけやすくしている。
不要な書類は処分し、とりあえず取っておくものを一時用のバインダーに。その際、子ども用・事務用などマスキングテープで決まったカラーに分けることで、さらに残すことになったときも保管先を見つけやすくしている。

商品開発のプロが選ぶキッチン収納グッズ

“見える”ことが大事だという収納のコンセプトはキッチンにも。
「迷わず手に取れることが家事の手間を省いてくれるので、キッチンでの収納用品選びも大事です。収納用品にはフタつきとフタなし、半透明なものと中身の見えないものがありますが、どんな用途で使うかをまず考えてセレクトしています」。
水谷さんのキッチン収納は、フタなし半透明の収納用品がほとんど。フタありのものは、冷蔵庫に入れる食品や、麦茶パックなど、湿気やニオイうつりを防ぎたいものだけに使用。
「食品の収納に使っているファイルボックスは、あえて高さの低いものを使っています。その方が、扉をあけた瞬間に中身が見えてわかりやすいし手を入れて取り出しやすいんです」。
そのままダイニングテーブルに運べるようカトラリー類は浅い小分けケースに入れて。また、子どものおやつは無駄なく食べ切れるよう、大袋から出して上から見渡せるように入れるなど、すべてのしくみに意味がある。
「迷わずワンアクションで取り出せる、それだけで毎日の暮らしはぐっとラクになります。それには詰め込みすぎず余裕を持たせて、できるだけ見えるようにしておくこと。それぞれのご家庭の暮らしにあったしくみをつくってみてください」。
吊り戸棚には、手の届きやすい下の段から順に使用頻度の高い食器を。配膳のときも、食洗機で洗い終えた食器を戻すときも、最短の距離が確保されている。上の段にはたまに必要なお菓子の道具などを、中身が見える持ち手つきのボックスにアイテム毎に収めている。
吊り戸棚には、手の届きやすい下の段から順に使用頻度の高い食器を。配膳のときも、食洗機で洗い終えた食器を戻すときも、最短の距離が確保されている。上の段にはたまに必要なお菓子の道具などを、中身が見える持ち手つきのボックスにアイテム毎に収めている。
シンク下には引き出しが2段。下にある深い引き出しには、ファイルボックスにものを立てて収納。クリップなどの細かいものはボックスに引っ掛けられるポケットを使用。埋没しないので取り出しやすい。ポケットの下のデッドスペースには普段使わない排水口カバーを。 
シンク下には引き出しが2段。下にある深い引き出しには、ファイルボックスにものを立てて収納。クリップなどの細かいものはボックスに引っ掛けられるポケットを使用。埋没しないので取り出しやすい。ポケットの下のデッドスペースには普段使わない排水口カバーを。 
上にある浅い引き出しには、よく使う布巾や包丁食洗機の洗剤などを収めている。引き出しを開けるとすぐ手が届く“10cm”の距離が大事。小分けのケースでアイテムに分け、ごちゃつくのを防いでいる。
上にある浅い引き出しには、よく使う布巾や包丁、食洗機の洗剤などを収めている。引き出しを開けるとすぐ手が届く“10cm”の距離が大事。小分けのケースでアイテムに分け、ごちゃつくのを防いでいる。
毎日飲むお茶は袋から出して種類に分けて小分けケースに。個包装のない麦茶パックのみ、フタつきボックスに入れて湿気を防いでいる。麦茶パックは予め切り離しておき片手で取り出せるように。
毎日飲むお茶は袋から出して種類に分けて小分けケースに。個包装のない麦茶パックのみ、フタつきボックスに入れて湿気を防いでいる。麦茶パックは予め切り離しておき片手で取り出せるように。
「キッチンはストレスなくゴミ出しできるようにしておかないと、散らかるもとになります」。可燃ゴミ、生ゴミなど分別しやすくすき間に収まる上積み型を選択。量が多くかさばるプラスチックゴミ用は一番下に予備があり、上の段がいっぱいになると入れ替えるしくみ。
「キッチンはストレスなくゴミ出しできるようにしておかないと、散らかるもとになります」。可燃ゴミ、生ゴミなど分別しやすくすき間に収まる上積み型を選択。量が多くかさばるプラスチックゴミ用は一番下に予備があり、上の段がいっぱいになると入れ替えるしくみ。
カトラリーなどを小分けケースに分類。子ども用カトラリーを入れたケースにその日使う大人用のお箸やカトラリーを入れ、まとめてダイニングテーブルへ。お菓子類はひと目で分かるようにしておくことで、買い過ぎ、食べ忘れも防げる。
カトラリーなどを小分けケースに分類。子ども用カトラリーを入れたケースにその日使う大人用のお箸やカトラリーを入れ、まとめてダイニングテーブルへ。お菓子類はひと目で分かるようにしておくことで、買い過ぎ、食べ忘れも防げる。
整理収納アドバイザー水谷妙子さん。無印良品の商品開発担当を経て、「ものとかぞく」を起業。整理収納サービスや片づけ講座を行う。「水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び」(主婦の友社)など著書も話題に。
整理収納アドバイザー水谷妙子さん。無印良品の商品開発担当を経て、「ものとかぞく」を起業。整理収納サービスや片づけ講座を行う。「水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び」(主婦の友社)など著書も話題に。