ライフオーガナイザーの整理収納使いやすさを考慮しつつ
見て楽しめる工夫を大切に
家族が使いやすいシステムをつくる
7年前に当時築13年のマンションをリノベーションしたライフオーガナイザーの瑞穂まきさん。プランニングの際は、収納についても計画を練り上げた。
「どのくらい収納スペースが必要かも考えましたが、自分の理想の空間を作ったので、新居に持っていきたいモノかどうかを考えたとき、持ちモノを見直すきっかけにもなりました」。
娘さんの片付けを機に断捨離に興味を持ち、やましたひでこさんの断捨離を学んで、後にライフオーガナイザーに。
「ただ、自分にとって使いやすい収納と、家族にとって使いやすい収納は違います。だから家族に合わせて計画することから始めました」。
瑞穂邸には2つの動線があり、玄関からLDKへのパブリック動線とは別に、シューズクローゼット、ウォークスルークローゼット、バスルームへとつながるプライベート動線がある。
「私自身は収納スペースに片付けに行くのは問題ないのですが、夫は違います。そこで帰宅後のプライベート動線上に家族のモノを配置し、WTCを通れば完結するようにしました。私はクローゼットに扉があった方が使いやすいですが、夫はない方が楽なので、夫のWTCは扉なしにしました」。
家族にとって必要なものを必要な場所にスタンバイさせることで、住空間はいつも整い、美しさがキープされている。
自分の衣類はクローゼットに一括管理
WTCの奥のベッドルームにあるクローゼットは、瑞穂さんの衣類の収納スペース。鮮やかな色彩の衣類が美しく収められている。
「私自身は動線上に収納がなくても大丈夫なので、この位置を選びました。服もモノも大好きなので、選ぶ楽しみは捨てられなくて。その代わり循環させるようにしていて、自分の衣類はここから溢れないように守っています」。
扉を開くとき、最初に開けることになる中央右側の位置に、アクセサリーや靴下、下着などのよく使うモノを。
「パンツ類は下段にかける人が多いのですが、パンツスタイルが多い私には、上段の方が使いやすいので上段を定位置にしています。トップスはオールシーズン着るので、ほぼかける収納で。カラーと形でざっくりと分けているので見つけやすいです」。
カラフルなスカーフやバッグなどは、かけたり吊るしたりして収納している。
「こうしておくと目につきやすく、探しやすいんです。しまい込むと存在を忘れてしまうタイプなので、全体を見渡せるようにして稼働させ、循環させています」。
見える場所は美しさを優先して
リビングから見える位置にこだわったアイランドキッチンは、オープンなだけに家具っぽさを意識して造作。その際、予め収める食器を想定してサイズも指定したそう。
「コップの高さに合わせて引き出しの深さを計算しました。日々使う食器は、食洗機から直接収められる位置に収納棚を設けています」。
キッチンの奥にはパントリーを。ダイニングから見えない位置に、家電などの生活感のあるものを収められるようにしている。
「見える場所にある棚では、収納というよりはディスプレイを楽しんでいます。棚板を設置するバーが見えてしまうのが嫌なので、固定のオープン棚にしました」。
機能的なだけでなく美しさにもこだわった収納が、心地よい暮らしを生んでいる。