鈴木尚子さんのライフオーガナイズ  快適な空間に必要なのは 15分でリセットできる仕組み

鈴木尚子さんの収納術快適な空間に必要なのは
15分でリセットできる仕組み

ライフオーガナイザーとして、空間の片づけ、整理の仕方を提案する鈴木尚子さん。「決してものは少なくない」と言いながら、そのご自宅はすっきりと美しい。「ものは捨てるのではなく選ぶことが大事と考えています」。自分が選んだ大切なものたちとどう暮らしていくのか、そのアイデアがご自宅には満載されていた。

シルバーとウッドで統一されたキッチンは、機能性と心地よさが考え尽くされた空間。「色や素材感がマッチングしていないのがすごく苦手なんです。視覚的に統一感を持たせるということも重視しました」。そのポリシーはキッチン小物や洗剤などにも。ブランドを統一したり、定番の容器に詰め替えたりするなど、色の氾濫を押さえることにこだわっている。

「毎日立つキッチンですから、使いやすさが大事です。私はものを1軍と2軍に分けていて、日常的に使う1軍は取り出しやすい位置に、時々使う2軍は上の棚に、などものの住所を決めています」。“必要なものは2割で足りている”と分析する鈴木さん。使用頻度の高いものを適材適所に置くことで、動作に無駄がなくなり、識らず識らず感じているストレスから解放される。

機能性の高さにこだわったキッチン。統一された色彩が心地よさを生む。

機能性の高さにこだわったキッチン。統一された色彩が心地よさを生む。

いつも使うものは取り出しやすい位置に。収納ケースもシンプルな白を選び、中身を隠している。

いつも使うものは取り出しやすい位置に。収納ケースもシンプルな白を選び、中身を隠している。

プラスチックの収納ケースの手前には色画用紙を入れている。中身が目隠しされてすっきりと見える。

プラスチックの収納ケースの手前には色画用紙を入れている。中身が目隠しされてすっきりと見える。

毎日使う子供のお弁当グッズをまとめた引き出し。忙しい朝に、ここだけで作業が完結する。

毎日使う子供のお弁当グッズをまとめた引き出し。忙しい朝に、ここだけで作業が完結する。

使用頻度の高い調理器具や調味料は、ガス台の横に。シルバーや透明のケースで色調を揃えている。

使用頻度の高い調理器具や調味料は、ガス台の横に。シルバーや透明のケースで色調を揃えている。

帰宅後、すぐにキッチンに立つときのために、時計などの小物入れを窓際に。部屋を移動する手間を省略して時短に。

帰宅後、すぐにキッチンに立つときのために、時計などの小物入れを窓際に。部屋を移動する手間を省略して時短に。

カラフルな容器に入っている市販のスパイス類は、すべてシルバー×クリアの容器に移し替え。このひと手間が大事。

カラフルな容器に入っている市販のスパイス類は、すべてシルバー×クリアの容器に移し替え。このひと手間が大事。

爪楊枝や輪ゴムなど、細かくてバラつくものは、タバコ屋さんで見つけたシガレットケースに収納。

爪楊枝や輪ゴムなど、細かくてバラつくものは、タバコ屋さんで見つけたシガレットケースに収納。

ひとつひとつ住所を決めてあげる。

キッチン脇に設置したパントリーには、食材や調理器具だけでなく洗剤や掃除道具など、生活まわりの様々なものを収納している鈴木邸。「キッチンからも反対側の廊下からも通り抜けられるので、家事をする上で動線がいいですね」。ここでも様々なアイテムをクリーンにすっきり収めるテクニックが。

「食材はクリアなガラス容器に入れて、何がどのくらいあるか一目で分かるようにしています。掃除道具などは買ってきたらパッケージは外して、すぐに使えるように。洗剤や医薬品などはラベルが見た目にうるさいので、白いボックスの中にまとめて入れています」。

雑誌の切り抜きや取扱い説明書などは同じメーカーで揃えたファイルにまとめて管理。「ものはアイテム毎に、ひとつひとつ住所を決めてあげることが必要です。住所登録をしておけば、使う時にすぐに見つけられて、動きがスムーズになります」。

様々なものを収めながら、シンプルな色彩で統一されたパントリー。何が収納されているか分かりにくいものはラベルを貼って管理。

様々なものを収めながら、シンプルな色彩で統一されたパントリー。何が収納されているか分かりにくいものはラベルを貼って管理。

タオルは丸めてしまっておくと取り出しやすい。蓋付きボックスは横に寝かせておけば、棚から取り出して蓋を開ける、という手間が省ける。

タオルは丸めてしまっておくと取り出しやすい。蓋付きボックスは横に寝かせておけば、棚から取り出して蓋を開ける、という手間が省ける。

掃除、洗濯グッズはこちらの棚に。取り出しやすいよう引き出しの棚も活用。液体洗剤は白い容器に詰め替えることで色の氾濫を防いでいる。

掃除、洗濯グッズはこちらの棚に。取り出しやすいよう引き出しの棚も活用。液体洗剤は白い容器に詰め替えることで色の氾濫を防いでいる。

ワンアクションを心がける。

子供の頃から服が大好き。現在はスタイリングの仕事も行う鈴木さんのクローゼットは、決してミニマルなわけではない。しかもたくさん服を持っていても“いつも使うのは2割だけ”。それならばクローゼットをどう有効利用するが鍵という。

「私は、今着ないものは衣装ケースに入れ、着るものだけを出すようにしています。すると効率的に選ぶことができるし、何があって何が足りないのかも一目瞭然で、無駄なものを買い足してしまうこともありません」。

いつも出しておく服は、選びやすいように収納すること。鈴木さんは、ハンガーレールを上下2段に設置し、上にはトップス、下にはボトムスをハンガーで掛けている。これならばコーディネートがしやすく、取り出すときにも手間取らない。

「私のテーマはすべて“ワンアクション”です。一度で取り出せて元に戻すときもスムーズにできるように、使いやすい状態にしておきたいものですね」。

 トップスとボトムスを上下に分けて掛ける。空間が無駄なく使え、余裕を持って洋服を掛けられる分、服の美しさも保たれる。

トップスとボトムスを上下に分けて掛ける。空間が無駄なく使え、余裕を持って洋服を掛けられる分、服の美しさも保たれる。

ネクタイハンガーをストールかけとして愛用。「使ったものを陰干しできるので便利です」。

ネクタイハンガーをストールかけとして愛用。「使ったものを陰干しできるので便利です」。

いつも使う大きめのバッグは棚の上に。たまにしか使わない小ぶりのバッグはカゴに入れて収納。

いつも使う大きめのバッグは棚の上に。たまにしか使わない小ぶりのバッグはカゴに入れて収納。

ハンガーはワンアクションで取り出せる使い勝手のよいものに限定。同じメーカーのもので揃えることですっきり。

ハンガーはワンアクションで取り出せる使い勝手のよいものに限定。同じメーカーのもので揃えることですっきり。

引き出しや衣装ケースの中は、重ねて入れておくと下ものが分かりづらく取り出しにくい。そこでこのように立てて収納。

引き出しや衣装ケースの中は、重ねて入れておくと下ものが分かりづらく取り出しにくい。そこでこのように立てて収納。

Tシャツ類はチェストの高さに合わせて折りたたみ、立てて収納。色別に分けると見た目もきれいで選びやすい。

Tシャツ類はチェストの高さに合わせて折りたたみ、立てて収納。色別に分けると見た目もきれいで選びやすい。

お弁当グッズのシリコンカップをアクセサリー入れに。1点ずつ分けて入れられ、柔らかいので傷つけないのがよい。

お弁当グッズのシリコンカップをアクセサリー入れに。1点ずつ分けて入れられ、柔らかいので傷つけないのがよい。

ロングネックレスはBARNEYS NEWYORKのバレンタイン用ギフトポーチに。ちょうどいいサイズが気に入って、毎年購入。

ロングネックレスはBARNEYS NEWYORKのバレンタイン用ギフトポーチに。ちょうどいいサイズが気に入って、毎年購入。

実用的なものは徹底して隠す。

リビングを仕事場としても使用している鈴木さん。家族で寛ぐリビングを、いかにリラックスできる空間にしておくかも大事だった。パソコンや書類などを収納している造り付けの飾り棚は、実務的なものを保管しながら、この家の象徴のように美しく整っている。

「色の氾濫を避けることと、実用的なものは隠すこと、というルールを決めました」。書類関係は棚の色に揃えた白のボックスに。パソコンのコードやモデムはプリンターと同じ黒のボックスに入れ、中身を隠すようにした。色の統一感を大事にすることで、クリーンな空間を生んでいる。

「もともと汚部屋出身で(笑)、片づけが苦手な私が快適に暮らすにはどうしたらよいか、を考えて辿り着いたのが今の家です。だから決して無理はしません。選び取った大事なものたちを、使用状況に合わせて住所を決め、元に戻しやすい環境を作っておくことを守っています。例え散らかっても、15分でリセットできる仕組みが我が家には出来上がっていますね」。

実用的なものを収めながら、すっきりと美しい飾り棚。下段を重い黒色、上段を軽い白色で分けたのも計算の上。

実用的なものを収めながら、すっきりと美しい飾り棚。下段を重い黒色、上段を軽い白色で分けたのも計算の上。

お気に入りのメーカーで揃えた白いファイルボックス。圧迫感がなく、インテリアの一部にもなる。

お気に入りのメーカーで揃えた白いファイルボックス。圧迫感がなく、インテリアの一部にもなる。

DVDはカバーを捨てて、ファイルに収納。家族一人につき1冊と決め、それ以上増えた場合は捨てるようにしている。

DVDはカバーを捨てて、ファイルに収納。家族一人につき1冊と決め、それ以上増えた場合は捨てるようにしている。

靴からその日のファッションを決めるというほど、靴が大好きな鈴木さん。シューズクローゼットは、片足ずつずらすことで収納力を高めている。つま先を前に向けているのは「私を選んで」という靴のアピールを感じるからなのだとか。

靴からその日のファッションを決めるというほど、靴が大好きな鈴木さん。シューズクローゼットは、片足ずつずらすことで収納力を高めている。つま先を前に向けているのは「私を選んで」という靴のアピールを感じるからなのだとか。

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