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アートを日常で楽しむ方法 Part3アートを定期的に掛け替えて
部屋の空気感をアップデート

アートを飾る場所を変えて楽しむ

「アートを日常で楽しむ方法」Part1Part2に続く第3回は、アートアドバイザーの奥村さんに、アートでセンスを磨く技、これからのアートとの付き合い方を教えていただく。
 

「アートは生ものだと思っています。アートをずっと同じ場所に飾ったままにしていると、住まいの空気が停滞してしまうんですね。季節に合わえて掛け変えたり、新しくアートを購入したら、家の中の作品を飾る場所を順繰りに変えて楽しんでいただきたいと思います」

上の写真はリビングのコーナーにアートを飾ったシーン。
「コーナーの2面の壁面を使ってアートを飾ると、リビングが洗練された空間になります。
ほんとうはアートの床置きはしたくないのですが、新しく購入したものを床に仮置して、これから家のどこに飾ろうかと考えをめぐらせることもあります」

このコーナーには、初めて家に迎い入れたアートを飾るとっておきの場所もあるのだとか。
「新しく購入した作品を飾ったり、季節に合った作品に掛け替えています。家中の作品を掛け替えるのは大変なので、頻繁にアートを替えるのはこの場所と決めておくのもオススメです」

「この場所は、はじめましてのアートを飾る特等席です。意味もなくこの前をウロウロして、新しく迎い入れたアートを堪能しています(笑)」。artist:松﨑友哉
「この場所は、はじめましてのアートを飾る特等席です。意味もなくこの前をウロウロして、新しく迎い入れたアートを堪能しています(笑)」 。artist:松﨑友哉

複数の作品が同時に目に入る場所を作る

「同時に複数の作品が目に入る場所を作るのもオススメしたい方法です。
それぞれの作品の個性が引き立て合い、1点だけではない深みを楽しむことができます」
 

リビングとダイニング、廊下と階段など、複数の作品が同時に目に入る場所を探して作品を掛けてみるのも楽しいはず。作品と作品の思いがけない相乗効果も、自宅で楽しむアートならでは。

手前の立体的な作品と、奥のダイニングに飾った作品とが同時に目に入る。織物をほどくことで生み出されたコンセプチュアルな立体感のあるアート。手前左の作品:手塚愛子、奥のキャビネットの上のトルソー:大西伸明、壁にかけた作品:岩村伸一
手前の立体的な作品と、奥のダイニングに飾った作品とが同時に目に入る。織物をほどくことで生み出されたコンセプチュアルな立体感のあるアート。手前左の作品:手塚愛子、奥のキャビネットの上のトルソー:大西伸明、壁にかけた作品:岩村伸一
立体感のある作品を部屋の中を歩く時に目に入る場所に飾ると、様々な角度で作品を楽しめる「右のジャコメッティのポスターは、私自身、本物のアートをどこで買ってよいのかわからなかった頃の初心を忘れないために置いてあります」
立体感のある作品を部屋の中を歩く時に目に入る場所に飾ると、様々な角度で作品を楽しめる「右のジャコメッティのポスターは、私自身、本物のアートをどこで買ってよいのかわからなかった頃の初心を忘れないために置いてあります」

大きさの違うアートを組み合わせて飾るコツ

壁面に対して、一点だけだと小さく感じる時は、何点かを組み合わせて飾るとよい。
数点飾る場合は、ラインを決めて配置するとセンスよく飾ることができる。
 

「フレームの素材や色が違ってもかまいません。逆に統一するとやぼったく見えてしまいます。
ギャラリーや作家さんが作品に合わせたフレームを製作していることが多いです。もしフレームが無ければ、購入したギャラリー等で相談に乗ってもらうとよいでしょう。作品を一番よくひきたたせてくれるフレームを選んでいただけると思います」

何点かまとめて飾る時は、どこかひとつライン揃えるのがコツ。縦のラインの左右に、3枚の作品を並べている。Artist:(上)森村誠、(左下)天野憲一、(右下)薮本絹美
何点かまとめて飾る時は、どこかひとつライン揃えるのがコツ。縦のラインの左右に、3枚の作品を並べている。Artist:(上)森村誠、(左下)天野憲一、(右下)薮本絹美
何枚かの作品の組み合わせを考える時は、まず床に並べてバランスを見ながら並べる位置を考える。
何枚かの作品の組み合わせを考える時は、まず床に並べてバランスを見ながら並べる位置を考える。

ギャラリーとのお付き合い

作品はギャラリーで購入するのが一般的だが、飛び込みで作品を買うのは勇気が要る。
「美術館の展覧会を見に行ったら、もし作品を持って買えるならどれを? 家のどこに飾る? と想像しながら見て回ると、自分の好みがわかってきます。
各ギャラリーが出店しているアートフェアに足を運んでみるのもよいですね。たくさんお客さんが来場しているので緊張せずに済むと思います」
若手アーティスト、水谷昌人さんの作品は玄関の壁に。「立体感のある作品なので、いろいろな角度から眺められる場所に掛けました」
若手アーティスト、水谷昌人さんの作品は玄関の壁に。「立体感のある作品なので、いろいろな角度から眺められる場所に掛けました」
パネルの背面から絵具を絞り出して描くのが特徴の迫力のある水谷昌人さんの作品。
パネルの背面から絵具を絞り出して描くのが特徴の迫力のある水谷昌人さんの作品。
「水谷昌人さん作品の裏側にはこんな絵が描かれています。壁に掛けた状態では見えませんが、この絵が隠れていることを思い浮かべながら作品を鑑賞します。裏まで楽しむのは作品を持っている人だけができることなのでワクワクします」
「水谷昌人さん作品の裏側にはこんな絵が描かれています。壁に掛けた状態では見えませんが、この絵が隠れていることを思い浮かべながら作品を鑑賞します。裏まで楽しむのは作品を持っている人だけができることなのでワクワクします」
「この伊庭靖子さんの作品を東京都美術館に貸し出ししたことがあります。コレクターにとっては最高の栄誉です。同時代を生きている作家さんの作品は、著名なアーティストへと成長する夢を共に見ることができる喜びがあります」。 アートアドバイザーの奥村くみhttp://www.allier.jp/ さん。インテリアコーディネーターとして活躍した後、2004年より現代アートとインテリアの融合を目指し、アートアドバイザーとしてアートのある暮らしを提案。近著に『アートと暮らす日々』(ワニブックス)。毎年「堂島リバーフォーラム」にて、セレクトしたアートを楽しめるフェア『ART NAKANOSHIMA』を開催。
「この伊庭靖子さんの作品を東京都美術館に貸し出ししたことがあります。コレクターにとっては最高の栄誉です。同時代を生きている作家さんの作品は、著名なアーティストへと成長する夢を共に見ることができる喜びがあります」。
アートアドバイザーの奥村くみさん。インテリアコーディネーターとして活躍した後、2004年より現代アートとインテリアの融合を目指し、アートアドバイザーとしてアートのある暮らしを提案。近著に『アートと暮らす日々』(ワニブックス)。毎年「堂島リバーフォーラム」にて、セレクトしたアートを楽しめるフェア『ART NAKANOSHIMA』を開催。