ライフオーガナイザーのマンション暮らし Part1 コンパクトでも充実する
理想の暮らしのつくり方
本当に必要なものと暮らす
都心での暮らしの悩みは、十分な広さの収納を確保しにくいということ。でも、そんな中でも都心のマンションを選び、狭さを感じることなく快適に暮らすコツがある。ライフオーガナイザーのさいとうきいさんも、そんな生活を楽しむひとり。
「夫の職場に近いのが家選びの基準なんです。通勤に時間がかからず帰宅が早いので夕飯を作ってくれるメリットもありますしね(笑)」。
現在暮らす1LDK 55㎡のマンションは、すっきりと片づけられ、余白が感じられて美しい。スモールスペースでの快適な暮らしを提案するさいとうさんに、そのノウハウを聞いみた。
「リビングはいちばんリラックスしたい場所ですから、床にものが置かれることがないようにしています。収納のないLDなら、チェストや棚を置いてもいいですね。棚は背板のないものなら空間に抜けができてよいと思います」。
さいとうさんは無印良品のウッドシェルフを愛用。ラタンのボックスや書類ケースを利用して、生活に必要なものをジャンル別にグループ分けしている。
「規格が決まっているものだと、後から買い増しもできるので困りません。ただ、何でも詰め込むのではなく、本当に使っているものだけを収めることが大事です」。
ボックスや引出しの中はどこも余裕があってすっきり。棚自体も余白を意識し、特に上の方には詰め込みすぎないようにしている。そうすることで視覚的に余裕ができるのだそうだ。
夫にも使いやすいようシステム化
持ちものは最小限のものに絞る一方で、料理にこだわるさいとう邸では、キッチンツールが豊富に揃っている。
「自分たちの暮らしに必要なものは我慢する必要はありません」というさいとうさん。そこで、それらを効率的に収納し、スムーズに使う方法を考えることが大切になってくる。
「お水を使うお鍋などはシンクの下に、コンロで使うフライパンなどはコンロの下に、基本調味料はコンロ横にと、いちばん取り出しやすい位置に置くなどしています」。
出し入れしづらい場所には、たまにしか使わないものや容器に入れ替えて使う調味料の一升瓶などを。
「普段使いの食器類はシンクのすぐ上に。ここは食洗機からも近くて洗い終わったものをすぐに収められます」。
袋に入った洗剤や、調味料などは専用の容器に移し替える。でもこれはやりすぎないことが大事、とも。
「食洗機で洗えない詰め替え容器は、手洗いして乾かす手間も時間もかかりますよね。詰め替えの負担が大きいと大変なので、私はなるべく食洗機対応の容器を選ぶようにしたり、詰め替える必要のないものは詰め替えないと割り切ったりしています。ずっと続けられるかどうかもシステム化するときに考えてみるといいですね」。
ひとつのものを多用途に
「コンパクトな家なので、家具なども使い道をひとつに限定しません」。
例えばリビングのカフェテーブルは、もともとベンチシートとしてサイズオーダーしたもの。大人数集まったときはベンチとしても使える。
「アクセサリーや化粧品を収めているチェストは、その手前に椅子を置いてドレッサーとしても使います。出かけるときはクローゼット、洗面、ドレッサーを通って外出できるよう動線も考えています」。
クローゼットは、保管サービスに出す季節外のコート以外1年分を収納。洋服はここに収まるだけと決めている。
「洗面所も本当に使うものだけを、各自のボックスに分けて収納しています。ゲストも使う場所なので、ものは洗面台の上に出しておかないようにしています。家族それぞれにとって出し入れしやすい収納場所、収納方法を採用することで、散らかりづらくなると思います」。