リゾートホテルの癒しを求めて  グリーンの中で愉しむ アート感が溢れる暮らし

リゾートホテルの癒しを求めて グリーンとともに愉しむ
アート感溢れる暮らし

バルコニー付きを条件に

「広いバルコニーがあって、リノベーションができて、隣接する建物まで距離がある。さらに道路から部屋への入口が見えず、50部屋以下であること、などを条件に、約10年前この先夫婦で暮らすマンションを探しました」。
と、『H.P.FRANCE』に勤める岩崎悦子さん。見つけたのは、当時築25年、約90㎡の居住空間に約50㎡のバルコニーがついた物件だった。LDKを取り囲むように設けられた抜けのいいL字型のバルコニーからは、街の景色が見渡せる。
「当初は4DKで細かく仕切られていたので、全部取り壊し、スケルトンにしてからつくり直しました」。
かつて『H.P.FRANCE』で店舗デザイン・設計を担当していた夫が設計し、2LDK+Sの間取りに。広々としたLDKにはグリーンが溢れ、リゾートのような癒しムードが流れている。
廊下からLDKに入ると、視界はバルコニーへと抜ける。イギリスのアンティークスタイルを再現するCHESTER FIELDSのソファーが重厚な雰囲気。

廊下からLDKに入ると、視界はバルコニーへと抜ける。イギリスのアンティークスタイルを再現するCHESTER FIELDSのソファーが重厚な雰囲気。

グリーンいっぱいのダイニング。手前にはグッピーが泳ぐビオトープが。奥は料理を担当する夫の身長に合わせた男のキッチン。カウンターを造作し、ホームパーティーなどに対応できる広さを確保した。

グリーンいっぱいのダイニング。手前にはグッピーが泳ぐビオトープが。奥は料理を担当する夫の身長に合わせた男のキッチン。カウンターを造作し、ホームパーティーなどに対応できる広さを確保した。

北東をぐるりと取り囲むバルコニー。四季の植物を育てるコーナー、リラックスコーナー、多肉コーナーを設けている。

北東をぐるりと取り囲むバルコニー。四季の植物を育てるコーナー、リラックスコーナー、多肉コーナーを設けている。

こちらは多肉コーナー。ホームセンターで購入したベンチを黒く塗装し、2台積み重ねて台にした。

こちらは多肉コーナー。ホームセンターで購入したベンチを黒く塗装し、2台積み重ねて台にした。

バルコニーのビオトープではメダカを飼育。

バルコニーのビオトープではメダカを飼育。

グリーンとの相性抜群のASTIER de VILATTEのフラワーベースに季節の植物を。

グリーンとの相性抜群のASTIER de VILATTEのフラワーベースに季節の植物を。

目指したのはアジアのリゾート

「夫婦でアジアのリゾートによく行っていたので、“リゾートホテルのようなイメージ”がリノベーションのコンセプトでした。サブテーマは“どこまで気持ち良く過ごせるか”。それを求めた結果、大好きな植物関連のものを家全体に散りばめることになりました」。
廊下には植物やカラフルな鳥を描いた図柄が額装され、奥のLDKへと誘う。
「コンクリートをむき出しにした天井はグレーで塗装し、床はヨーロッパの家でよく見かける寄せ木張りにしました。落ち着ける空間を考えてすべて夫がデザインしています」。
シックな空間に赤い大きなソファーと瑞々しいグリーンが印象的。壁面の一部をコウモリランなどで飾ったダイニングには、グッピーを入れたビオトープも。
「ステイホーム期間中は、いつもよりも家に手をかけられました。リモート会議が多かったので、大好きな植物が画面の背景に写るように考えて壁をアレンジしたんです」。 
三面から光が差し込むダイニングでティータイム。現しにした天井には、埋め込みのエアコンやダウンライトを設置するための工夫を施した。

三面から光が差し込むダイニングでティータイム。現しにした天井には、埋め込みのエアコンやダウンライトを設置するための工夫を施した。

音響設備が充実したリビング。リラックスして映画を見るときに、よりリアリティを出すためにサラウンドシステムを組んだ。夫が選んだソファーは、微妙に色合いの違う2色を。テレビボードも造作したもの。

音響設備が充実したリビング。リラックスして映画を見るときに、よりリアリティを出すためにサラウンドシステムを組んだ。夫が選んだソファーは、微妙に色合いの違う2色を。テレビボードも造作したもの。

リモート会議で評判のグリーンコーナー。グレーの壁にグリーンが映える。

リモート会議で評判のグリーンコーナー。グレーの壁にグリーンが映える。

NYの作家JOHN DERIANが収集した図録から切り抜いたものを中心にディスプレイ。鮮やかな色彩が美しい。

NYの作家JOHN DERIANが収集した図録から切り抜いたものを中心にディスプレイ。鮮やかな色彩が美しい。

森の中のベッドルーム

窓が設けられないバスルームは面積を広く取り、白いタイルをあしらって明るく開放的に。ゆっくりと休みたいベッドルームは、落ち着いたグレーの壁に、夫がIKEAで見つけたフォトプリントが施されたキャンバスをあしらった。
「吊り橋の向こうに森が広がっているような画像だったので、ベッドルームは森に入って行くイメージでコーディネートしました」。
採光のとりにくいベッドルームも植物があきらめきれず、天井の梁を利用してフェイクグリーンをベッドから見える場所に飾った。併設して設けられたドレッシングルームと、その奥にあるウォークインクローゼットは、フェイクグリーンのアーチをくぐり抜けるカタチになり、こちらも森に入っていくイメージ。夜には、壁に取り付けられたTsé&Tsé associéesの照明と、ベッドサイドに置かれたASTIER de VILATTEのキャンドルがさらに幻想的なムードを高める。
吊り橋を渡って深い森へ。Tsé&Tsé associéesの「霜の花のクライミングランプ」が幻想的な光を放つ。左手のカーテンはイタリア人アーティストcolomba leddiのもの。最近のお気に入りは足元のざっくり編んだファブリック。コロンビアの先住民族や農村に伝わる昔ながらのものづくりにデザイナーの監修を入れたもので、大切に長く愛用したい逸品。

吊り橋を渡って深い森へ。Tsé&Tsé associéesの「霜の花のクライミングランプ」が幻想的な光を放つ。左手のカーテンはイタリア人アーティストcolomba leddiのもの。最近のお気に入りは足元のざっくり編んだファブリック。コロンビアの先住民族や農村に伝わる昔ながらのものづくりにデザイナーの監修を入れたもので、大切に長く愛用したい逸品。

天井の梁を利用してフェイクグリーンをベッドから見える場所へ。その奥はドレッシングルーム。大容量のウォークインクローゼットは扉の奥に備え、生活感を出さない工夫を凝らしている。

天井の梁を利用してフェイクグリーンをベッドから見える場所へ。その奥はドレッシングルーム。大容量のウォークインクローゼットは扉の奥に備え、生活感を出さない工夫を凝らしている。

タイル張りのトイレも広々と設定。壁の鏡はTsé&Tsé associéesの「うそつきの鏡ペンタゴン」。変顔しか映らない、遊び心とアート感のあるこのミラーがお気に入り。

タイル張りのトイレも広々と設定。壁の鏡はTsé&Tsé associéesの「うそつきの鏡ペンタゴン」。変顔しか映らない、遊び心とアート感のあるこのミラーがお気に入り。

窓のないバスルームは躯体が天窓に見える構造のため、上から光が降りてくるように照明を工夫した。圧迫感を感じない広さにこだわったつくり。ミストサウナで溜まった疲れを取り除く。

窓のないバスルームは躯体が天窓に見える構造のため、上から光が降りてくるように照明を工夫した。圧迫感を感じない広さにこだわったつくり。ミストサウナで溜まった疲れを取り除く。

『ailes cafe』を経営する夫の仕事と趣味の部屋。ここで自転車の整備などをするそう。日本のTRICOTEのフォトプリントを施したカーテンが森を連想させる。ブルックリンのミニギャラリーのような空間で、植物やアートも楽しめる『ailes cafe』は、設備と基礎工事以外はDIYで仕上げたそう。

『ailes cafe』を経営する夫の仕事と趣味の部屋。ここで自転車の整備などをするそう。日本のTRICOTEのフォトプリントを施したカーテンが森を連想させる。ブルックリンのミニギャラリーのような空間で、植物やアートも楽しめる『ailes cafe』は、設備と基礎工事以外はDIYで仕上げたそう。

アートを随所に取り入れて

「リゾートの気分と同時に、アート感のある暮らしを楽しみたいんです」。
旅行や買い付けで訪れたパリで見つけてきた雑貨やアートなど、たくさんあるコレクションを入れ替えては、コーディネートを考えるのも楽しみのひとつ。
「少しずつ手をかけて、変化を楽しんでいます。この家に引っ越して来て最初に小さなオリーブの苗木を買ったのですが、今や私の身長を超えるくらいに成長しました。色々と試行錯誤しながら、家と自分と植物が一緒に成長をしているような感じがありますね」。

今後は、バルコニーのカフェ・スペースでランチをしたり、バータイムを楽しんだり、さらにリフレッシュできるアイデアを考え中だとか。グリーンとアートで彩られた空間が、今はちょっと遠くなったリゾートのように、癒しを与えてくれる。 
『ailes cafe』の新メニュー。フランス人の陶芸アーティストValerie Casadoのレース模様が美しいコースターで。

『ailes cafe』の新メニュー。フランス人の陶芸アーティストValerie Casadoのレース模様が美しいコースターで。

キッチンにも窓があり風が通り抜ける。Tsé&Tsé associéesの「四月の花器」に、季節の花をアレンジ。生け花の感覚で楽しんでいるそう。

キッチンにも窓があり風が通り抜ける。Tsé&Tsé associéesの「四月の花器」に、季節の花をアレンジ。生け花の感覚で楽しんでいるそう。

ASTIER de VILATTEのインセンスがリラックスムードを高める。左手前のコーヒーカップはドイツの陶芸ブランドKuhn Keramik。来年30周年を迎える『H.P.DECO』を記念したもの。

ASTIER de VILATTEのインセンスがリラックスムードを高める。左手前のコーヒーカップはドイツの陶芸ブランドKuhn Keramik。来年30周年を迎える『H.P.DECO』を記念したもの。

赤い一輪挿しはSTEFANO POLETTI。廊下に飾られた植物画は、奥のJOHN DERIANの図録から切り取ったもの。

赤い一輪挿しはSTEFANO POLETTI。廊下に飾られた植物画は、奥のJOHN DERIANの図録から切り取ったもの。

CORAL&TUSK(https://www.hpfrance.com/brand/coralandtusk)のミシン刺繍が施されたクッションカバーを愛用。猫村さんコラボレーションバージョンもあり。

CORAL&TUSKのリネン素材にミシン刺繍が施されたクッションカバーを愛用。猫村さんコラボレーションバージョンもあり。

長年探してやっと見つけた真ん丸のガラスのポットでお茶を。日本の職人がつくる吹きガラスで、ウォーマーもあり暖かいお茶を長く楽しめる。

長年探してやっと見つけた真ん丸のガラスのポットでお茶を。日本の職人がつくる吹きガラスで、ウォーマーもあり暖かいお茶を長く楽しめる。

コウモリランなどが美しいグリーンの壁。STEFANO POLETTIの植物を活けられるペンダントや、JOHN DERIANのデコパージュをアレンジしている。

コウモリランなどが美しいグリーンの壁。STEFANO POLETTIの植物を活けられるペンダントや、JOHN DERIANのデコパージュをアレンジしている。

リラックスできるバルコニーのコーナー。ティータイムやバータイムをお気に入りの食器や花器で。特別な休日にはテントを出して、遮るものがない景色をゆったりと眺めるのが楽しみ。愛用品の一部は『H.P.DECO』でも販売。"

リラックスできるバルコニーのコーナー。ティータイムやバータイムをお気に入りの食器や花器で。特別な休日にはテントを出して、遮るものがない景色をゆったりと眺めるのが楽しみ。愛用品の一部は、『H.P.DECO』でも販売。

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