断捨離®から始める生活&空間づくり Part1快適なモノを選りすぐって
心地よい暮らしを手に入れる
賃貸を暮らしやすくリノベーション
恵比寿に建つ築50年超のマンションの1室をリノベーションして暮らす、ながゐめぐみさん。どこを見てもフォトジェニックな空間には、やましたひでこ公認断捨離®トレーナー、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー(1級)、DIYアドバイザーとしての、経験のすべてが凝縮されている。
「友人がオーナーで、10年の定期借家としてスケルトンリフォームしました。造作してしまうと制限がかかるので、収納は置き家具にしています。7年前に友人と一緒に設計した実験ハウス、失敗も楽しんで暮らしながら生活に合わせて少しずつ変えてきた感じです」。
断捨離®とは、やましたひでこ氏が提唱する“モノの片づけを通して自分を知り、心の混沌を整理して人生を快適にするメソッド”。自分にとって、家族にとっての心地良い暮らしとは何なのかを考えるのが断捨離®の基本だ。哲学にも通じる概念を活かした空間には、居心地のよい空気が流れている。今回は、空間コーディネートと、断捨離®の考え方に基づく整理収納の面から、ながゐさんの心地よい暮らしの秘訣を教えていただく。
「友人がオーナーで、10年の定期借家としてスケルトンリフォームしました。造作してしまうと制限がかかるので、収納は置き家具にしています。7年前に友人と一緒に設計した実験ハウス、失敗も楽しんで暮らしながら生活に合わせて少しずつ変えてきた感じです」。
断捨離®とは、やましたひでこ氏が提唱する“モノの片づけを通して自分を知り、心の混沌を整理して人生を快適にするメソッド”。自分にとって、家族にとっての心地良い暮らしとは何なのかを考えるのが断捨離®の基本だ。哲学にも通じる概念を活かした空間には、居心地のよい空気が流れている。今回は、空間コーディネートと、断捨離®の考え方に基づく整理収納の面から、ながゐさんの心地よい暮らしの秘訣を教えていただく。
“要・適・快”からスタート
広い面積を確保して土間にしたかったという玄関には、IKEAのワードローブを活用。片面にはゆったりと夫婦の靴を、もう片面にはゴルフバッグなどを収めている。
「今春、息子が家を出たことでやっと収納にもゆとりが出ました」。
余裕のある玄関収納には清潔感が漂い、よい気の流れが感じられる。
「断捨離®では、今の自分と生きた関係にあるモノを選りすぐることから始めます。むやみに捨てるのではなく、手放す時になぜ心が痛むのかなど、モノを通じて自分との対峙をしていくと、結果的に心の整理につながります」。
モノ選びは今の自分との関係性を見極めることから。自分にとっての“要・適・快(必要で、適していて、快適である)”が、モノを選ぶ指針。選び抜かれたながゐさんの現役の靴たちは、斜めになった棚板に余裕を持って並べられていて、ぱっと見ただけでわかりやすく手に取りやすい。
「スチールの棚板なので、取り外して水洗いができて清潔を保てます。汚れ防止シートなどは使いません」。
玄関で同じく重宝しているのが、やはりIKEAのプラスチック製のシューズキャビネット。
「薄くて使いやすいので、靴箱としてだけではなく、我が家では3カ所で活用しています。同じようなデザインで木の集成材を使ったものもありますが、厚みがあるので、収納スペースが狭くなるのがネックなんですよね。今必要なモノを最適な状態でスタンバイさせて、サッと取り出しサッと片づけられるようにすること。これが機能していれば、出かける前の1日の始まりもスムーズです」。
「今春、息子が家を出たことでやっと収納にもゆとりが出ました」。
余裕のある玄関収納には清潔感が漂い、よい気の流れが感じられる。
「断捨離®では、今の自分と生きた関係にあるモノを選りすぐることから始めます。むやみに捨てるのではなく、手放す時になぜ心が痛むのかなど、モノを通じて自分との対峙をしていくと、結果的に心の整理につながります」。
モノ選びは今の自分との関係性を見極めることから。自分にとっての“要・適・快(必要で、適していて、快適である)”が、モノを選ぶ指針。選び抜かれたながゐさんの現役の靴たちは、斜めになった棚板に余裕を持って並べられていて、ぱっと見ただけでわかりやすく手に取りやすい。
「スチールの棚板なので、取り外して水洗いができて清潔を保てます。汚れ防止シートなどは使いません」。
玄関で同じく重宝しているのが、やはりIKEAのプラスチック製のシューズキャビネット。
「薄くて使いやすいので、靴箱としてだけではなく、我が家では3カ所で活用しています。同じようなデザインで木の集成材を使ったものもありますが、厚みがあるので、収納スペースが狭くなるのがネックなんですよね。今必要なモノを最適な状態でスタンバイさせて、サッと取り出しサッと片づけられるようにすること。これが機能していれば、出かける前の1日の始まりもスムーズです」。
モノの総量を意識してザックリ収める
「断捨離®の考え方のひとつに“総量規制”があります。買い溜めしたために収納用品を買う、というのは本末転倒。家族の人数が多いにせよ、ストックの数量を考えることが大切です」。
洗面、サニタリーも、使うモノだけを厳選。洗面台上の鏡裏収納は余白が保たれ、すっきりと美しく収められている。
「スペース全体で考えて、ディスプレイを意識して収めています。ぎっしり詰め込むと取り出しにくくなるし、私も家族も分かり辛い。みんなが使いやすくなければ意味がないので」。
洗面台下の収納は、上から俯瞰して見ただけで、何があるか把握できるように。
「ワンアクションで手に取りたいので、洗剤のフタなどは取り払っています。ボトルを詰め替えて統一したりするのも、我が家では不採用。いちいちラベルの文字を見るのはストレスだと却下されました(笑)。映える収納が目的ではなく、家族と気持ちよく暮らすことが目的ですから、収納手段の最適解はそれぞれです」。
洗濯機の上には、必要枚数分のタオルが平置きに。
「吊り収納を設けると、取り出すのに手間がかかるし、カゴなどに入れるとカゴの掃除がまた面倒なんです。私の収納の考え方は、ザックリと住所を決めて、大きくゾーニングすること。間仕切りやラベリングなどはしません。細かなルールに囚われるのは窮屈だと思うんです」。
洗面、サニタリーも、使うモノだけを厳選。洗面台上の鏡裏収納は余白が保たれ、すっきりと美しく収められている。
「スペース全体で考えて、ディスプレイを意識して収めています。ぎっしり詰め込むと取り出しにくくなるし、私も家族も分かり辛い。みんなが使いやすくなければ意味がないので」。
洗面台下の収納は、上から俯瞰して見ただけで、何があるか把握できるように。
「ワンアクションで手に取りたいので、洗剤のフタなどは取り払っています。ボトルを詰め替えて統一したりするのも、我が家では不採用。いちいちラベルの文字を見るのはストレスだと却下されました(笑)。映える収納が目的ではなく、家族と気持ちよく暮らすことが目的ですから、収納手段の最適解はそれぞれです」。
洗濯機の上には、必要枚数分のタオルが平置きに。
「吊り収納を設けると、取り出すのに手間がかかるし、カゴなどに入れるとカゴの掃除がまた面倒なんです。私の収納の考え方は、ザックリと住所を決めて、大きくゾーニングすること。間仕切りやラベリングなどはしません。細かなルールに囚われるのは窮屈だと思うんです」。
家事の手間を省くWTC
「ベッドルームにはクローゼットも何も設けたくなかったんです。芦屋で阪神淡路大震災を経験していますので、安心安全の確保が最重要でした。それに寝ているときに、引き出しの開け閉めなど物音が気になりますしね」。
ベッドルームと隣接させて、回遊できるようにウォークスルークローゼットを設置。
「婚礼ダンスを置いているのですが、扉を開けたときのスペースが少し狭いのが悩みです。扉前に100〜120cm欲しいのですが、今は74cmなのでいよいよタンスを処分しようかと思っています」。
タンスには夫の服とシーズンオフの服などを、ハンガーラックには今、着用するものをハンガーにかけて収納している。
「ハンガーはワンアクションで取り出せるもの、肩ひもをかける窪みのあるものなど、用途に合わせて使い分けています。洗濯ものはハンガーにかけて干し、そのままクローゼットへ。下着もハンガーにかけたままです(笑)」。
アイロンかけの必要な服は、洗濯後、乾燥機にかけてピンと伸ばすことでシワを防ぎ、そのまま収納。服は色で選びやすいように、グラデーションを意識してかけている。このスペースに衣類をすべて収めているため、ベッドルームはすっきり。落ち着いた内装や照明を採用し、ベッドに横になったときの目線の高さを越えるものを置かないようにすることで、寛げる雰囲気をつくっている。
「毎日目に触れるモノは、その人の人生に影響を与えないわけはないと思っています。死蔵品をギュウギュウに詰めておくか、お気に入りの必要なモノを収めておくかは、とても大きな違いです。収納は住空間の中で、心の“内側”と断捨離®️では位置付けています。モノとの関係性を見直すことで、日々快適に暮らすことができ、より良い人生を歩むことにつながりますよ」。
ベッドルームと隣接させて、回遊できるようにウォークスルークローゼットを設置。
「婚礼ダンスを置いているのですが、扉を開けたときのスペースが少し狭いのが悩みです。扉前に100〜120cm欲しいのですが、今は74cmなのでいよいよタンスを処分しようかと思っています」。
タンスには夫の服とシーズンオフの服などを、ハンガーラックには今、着用するものをハンガーにかけて収納している。
「ハンガーはワンアクションで取り出せるもの、肩ひもをかける窪みのあるものなど、用途に合わせて使い分けています。洗濯ものはハンガーにかけて干し、そのままクローゼットへ。下着もハンガーにかけたままです(笑)」。
アイロンかけの必要な服は、洗濯後、乾燥機にかけてピンと伸ばすことでシワを防ぎ、そのまま収納。服は色で選びやすいように、グラデーションを意識してかけている。このスペースに衣類をすべて収めているため、ベッドルームはすっきり。落ち着いた内装や照明を採用し、ベッドに横になったときの目線の高さを越えるものを置かないようにすることで、寛げる雰囲気をつくっている。
「毎日目に触れるモノは、その人の人生に影響を与えないわけはないと思っています。死蔵品をギュウギュウに詰めておくか、お気に入りの必要なモノを収めておくかは、とても大きな違いです。収納は住空間の中で、心の“内側”と断捨離®️では位置付けています。モノとの関係性を見直すことで、日々快適に暮らすことができ、より良い人生を歩むことにつながりますよ」。