断捨離®から始める生活&空間づくり Part2 収納は“心の内側” より良い人生に導くキッチン

断捨離®から始める生活&空間づくり Part2収納は“心の内側”
より良い人生に導くキッチン

モノとの関係性を見極める

“モノの片づけを通して自分を知り、心の混沌を整理して人生を快適にするメソッド”=やましたひでこ氏が提唱する断捨離®を基本に、空間クリエイトをサポートしているながゐめぐみさん。
「断捨離®では、モノそのものではなく“モノと人との関係性”を重要視します。捨てることやキレイに収納することが目的なのではなく、大事なのは、今の自分と生きた関係にあるモノを選び抜き、心地よく過ごせる空間をつくること。捨てること、整理収納は、そのための手段にすぎません」。
ご自宅は築50年超のマンションをリノベーションした居心地のよい80㎡の2LDK。Part2では、ペニンシュラ型のオープンなキッチンを見せていただく。
大きめのシンクで使いやすいキッチン台。コンロまわりにはモノを出しっ放しにしないことで、掃除を楽に。

大きめのシンクで使いやすいキッチン台。コンロまわりにはモノを出しっ放しにしないことで、掃除を楽に。

IKEAのキャビネットを背面カウンターとして使用。東急ハンズでカットしてもらった板を上に載せて天板に。木の素材を生かしつつ撥水性もあるオスモカラーを仕上げ材に使用。

IKEAのキャビネットを背面カウンターとして使用。東急ハンズでカットしてもらった板を上に載せて天板に。木の素材を生かしつつ撥水性もあるオスモカラーを仕上げ材に使用。

収納の“7・5・1の法則”とは

リビングダイニングから眺められるガラス戸のキャビネットには、セレクトされた食器が美しく収納されている。
「断捨離®には“7・5・1の法則”というものがあるんです。引き出しの中など見えない部分の収納は7割、ガラスのキャビネットなど見えるところの収納は5割、棚上など見せるための収納は1割という考え方です」。
結婚時に購入したというキャビネット。“見える”ガラス戸の中には全体の5割を意識して、使うものだけを1点1点余白を持たせて収めている。“見えない部分”=引き出しや観音扉の中は、7割収納を心がけているという。
「頂き物などで一時的に2割ほどモノが増えたとしても余裕があります」。
リノベーションの際のコンセプトは“カフェ空間”。誰でも気軽に、気楽に寛いでほしいから、ゲストも自分が好きなときにお茶をサーブできるよう、日本茶、紅茶、ハーブティーなどの茶葉をディスプレイのようにスタンバイ。
「ドリンクバーのようなイメージで、カフェコーナーを作りたいと思っていました。造作や収納はゼロの設計でしたので、家具はネットで見つけました」。
以前はバリスタも設置していたが、今春、関西に巣立った長男とともにお引っ越し。
「我が家のキッチンに立った人は、聞かなくてもどこに何があるか感覚的に分かる、と言ってくれますね。動線上、ここにあったら便利だという場所に余裕を持たせて収めているので。“誰にでも分かりやすく取り出しやすい”収納であれば、自然と人は動いてくれます。ひとつの仕掛けづくりです」。
右手にあるのがカフェコーナー。最近購入した電気調理鍋がとても役立っているそう。バリスタのカラーを踏襲し、赤いホットクックを導入。

右手にあるのがカフェコーナー。最近購入した電気調理鍋がとても役立っているそう。バリスタのカラーを踏襲し、赤いホットクックを導入。

築50年超のマンションに合わせて、結婚当時から使っている古いキャビネットを。余白を持たせて5割収納を心がけることで、日常感がカバーされる。

築50年超のマンションに合わせて、結婚当時から使っている古いキャビネットを。余白を持たせて5割収納を心がけることで、日常感がカバーされる。

キャビネット下の観音扉内の収納。コの字ラックを使って収納力と使いやすさをアップ。

キャビネット下の観音扉内の収納。コの字ラックを使って収納力と使いやすさをアップ。

調味料をバスケットにまとめて。手に取りやすい高さにスタンバイ。

調味料をバスケットにまとめて。手に取りやすい高さにスタンバイ。

カフェコーナーのディスプレイ棚。茶葉の種類が一目瞭然。

カフェコーナーのディスプレイ棚。茶葉の種類が一目瞭然。

カフェコーナー下のキャビネットの引き出し。ダイニングテーブルに近い位置にカトラリーを。

カフェコーナー下のキャビネットの引き出し。ダイニングテーブルに近い位置にカトラリーを。

DIYでより使いやすい収納に

“見えない部分”=引き出しを開けてみると、7割収納以上に余裕・余白を持たせて、調理道具などが収められている。
「引き出しの中は大きくゾーニングして、ザックリと住所を決めることにしています。細かな間仕切りやラベリングなどはしていません。大きくゾーンを外さなければ、それでよいと思っています」。
食器用洗剤なども、見て分かることを重視して、引き出しの中のモノは詰め替えたりせずそのまま使用している。
「使い勝手を考えて、棚などをDIYで対応することも多いです。ホームベーカリーや調味料など、重いものはキャスターを取り付けた台の上に載せて、移動させやすくしています。このひと工夫で、奥までサッと掃除機をかけることができます」。
DIYアドバイザーとしても15年以上の経歴を持つながゐさん。
「工具は私にとって文房具感覚ですから、使用頻度の高いモノは便利なキッチンにスタンバイして、気になった時にサッとメンテナンスできるようにしています」。
空間に合わせた家具のアレンジもお手のもの。
「IKEAのキャビネットはキッチン台の高さに揃えるために、発泡スチロールの黒いブロックを脚にしました。大工工事をお願いするほどでもない小さなことを、DIYで“最適化”すれば、日々のストレスから大きく開放されますよ。コストカットもできるし、何よりもピッタリなモノに変えられるのが魅力です」。
キャビネットの中にはお水や食材がキレイに収められている。
「相似象という概念から、住空間の中で収納は“内側”。つまり“心の中”や“頭の中”の状態を可視化したものと、断捨離®では位置付けています。“内側”が快適な状態になっていることは、日々ご機嫌な暮らしができているということ。より良い人生を歩むことにもつながりますよ」。
シンク下収納。ゴミ袋は4つ折にして空気を抜いて収納するとコンパクトに。総量規制を意識し満タン防止。折り方を統一しておくと、畳んだ状態でサイズが分かって便利。

シンク下収納。ゴミ袋は4つ折にして空気を抜いて収納するとコンパクトに。総量規制を意識し満タン防止。折り方を統一しておくと、畳んだ状態でサイズが分かって便利。

食材は埋もれないように立てて収納。上から俯瞰して、どこに何があるのかが分かるように。

食材は埋もれないように立てて収納。上から俯瞰して、どこに何があるのかが分かるように。

調理道具も余白収納で手に取りやすく。

調理道具も余白収納で手に取りやすく。

コンロ下収納。お鍋は重ねないことで、ワンアクションで取り出し可能。

コンロ下収納。お鍋は重ねないことで、ワンアクションで取り出し可能。

重いものは床上に。DIYでキャスターを取り付けた台の上に、バスケットを載せて収納。棚はずっと使っているカラーボックスを活用した。

重いものは床上に。DIYでキャスターを取り付けた台の上に、バスケットを載せて収納。棚はずっと使っているカラーボックスを活用した。

よく使う工具をキッチンの取り出しやすい位置に。ゆるんだネジなどにさっと対応できる。

よく使う工具をキッチンの取り出しやすい位置に。ゆるんだネジなどにさっと対応できる。

冷蔵庫の中も整然と。詰め込みすぎないことで賞味期限切れを防止。

冷蔵庫の中も整然と。詰め込みすぎないことで賞味期限切れを防止。

野菜室には紙袋を活用。庫内が汚れにくくなって便利。

野菜室には紙袋を活用。庫内が汚れにくくなって便利。

高さ合わせのためにIKEAのキャビネットに脚を付けた。黒い発泡スチロールのブロックをカットして使用している。

高さ合わせのためにIKEAのキャビネットに脚を付けた。黒い発泡スチロールのブロックをカットして使用している。

キャビネットの下段には保存水やお酒など。上部の引き出しにはインスタントのお味噌汁やスープなどを常備。カウンター上にある電子ケトルとの動線もスムーズ。

キャビネットの下段には保存水やお酒など。上部の引き出しにはインスタントのお味噌汁やスープなどを常備。カウンター上にある電子ケトルとの動線もスムーズ。

やましたひでこ公認 断捨離®トレーナーであり、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー (1級) 、DIYアドバイザーとして活躍するながゐめぐみさん。対面やZOOMなどでの「断捨離よろず相談」や「自宅サポート」などを随時開催。断捨離からインテリア、DIY、リフォームまで相談に応じていただける。

やましたひでこ公認 断捨離®トレーナーであり、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー(1級)、DIYアドバイザーとして活躍するながゐめぐみさん。対面やZOOMなどでの「断捨離よろず相談」や「自宅サポート」などを随時開催。断捨離からインテリア、DIY、リフォームまで相談に応じていただける。

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