窓一面に広がる緑に一目惚れ多彩な表情が生まれる
回遊性のある住まい
都会の緑を存分に楽しむ工夫
「物件探しからスマサガ不動産にお願いしました。ご紹介いただいた最初の物件がここだったのですが、窓一面の緑に一目惚れでした。最初に内見した日は雨だったのですが、別の日にもう一度見に来て、すぐに決めてしまいました。物件探しにかかったのは実質２日です。朝、鳥のさえずりで目が覚めます。幸せすぎていいのかなって思います（笑）」
リノベーションは、まず仕切り壁や内装材を取り払い、躯体現しとした。そしてフローリングやサイザル麻を敷いた段差をつけた場所を作り、ゆるやかにエリアを分けた。部屋の中央の柱を回遊しながら場面が変わり、ワンルームでありながら空間にメリハリが生まれた。
そして、緑あふれる窓際に、長いカウンターテーブルを作った。
「気分に合わせて好きな場所に座りながら仕事をしたり、コーヒーを飲んだり。最高の贅沢です」
窓に面した左右いっぱいにカウンターテーブルを作った。グリーンのイスは、『ハーマンミラー』のセイルチェア。
窓一面に東京大学駒場キャンパスの緑が広がる。取材に訪れた日も様々な鳥の声が楽しめた。
カーテンレールにグリーンを吊るし、外と中の緑をつなぐ。
佐賀の『シムススタイル』の三角形のスタッキングスツールは、様々な木材の間伐材で作られている。
一段高い場所に置いた三角のクッションは『DVELAS』のもの。「船の帆を再利用した素材で作られています。アウトドアでも使用できるそうです」。ソレイアードの生地のカーテンはハンドメイド。
スイッチボックスとして使われていた柱の窪みに、世界各地のスーベニールを飾って。
フローリングはケンパス材。
もとからあった障子をそのまま利用
「段差をつけたこの和のスペースを”はなれ”と呼んでいます。普段はここに布団を敷いて寝ています。スマサガ不動産の設計の方は、駒場キャンパスに面した南側の一段高い部分にベッドマットを置いて寝るのを推奨していましたが（笑）。友人が泊まりに来たときははなれで寝てもらって、私は窓際に移動します」
テーブルは『TOOL BOX』の脚を使いDIYで製作。右に床のレベルを一段上げた和のスペースを作った。
障子＋サイザル麻で和の雰囲気に。「普段はここに布団を敷いて寝ています」
”はなれ”からの抜けも最高。天井の野縁の枠組みはリノベの際に残し、植物などを吊って楽しんでいる。
都内で緑に癒やされ、埼玉で仕事
「躯体の上からモルタルを塗ることも考えたのですが、モルタルの重量が大きくなりすぎるので断念しました」
そしてもうひとつ断念したことがあるのだそう。
「キッチンの裏側にバスルームがあります。図面を見た時、この壁を無くせばお風呂に入りながらキッチンに置いた飲み物に手を伸ばせるかも、と考えました。けれど、そのためにはバスルームを在来工法にしなければなりませんし、キッチンの収納スペースも無くなります。……優雅なバスタイムの夢は諦めました（笑）」
実はちさとさん、便利な駒場東大前から浦和の職場まで通っているのだそう。
「通勤客とは逆の流れになるので電車も混んでいませんし、さほど苦になりません。都内の家で緑に癒やされ、埼玉県で仕事をするユニークなスタイルを楽しんでいます」
キッチンの裏側にバスルームがある。洗面所との仕切りはカーテンにした。
省スペースのため、上階からの排水管は囲わなかった。「水の音はそんなに気になりません。排水管は鉄素材なので、磁石のフックをつけて便利に利用しています」
