湾岸のタワマンリノべ シームレスな白い空間に やわらかな光が通り抜ける

湾岸のタワマンリノべシームレスな白い空間に
やわらかな光が通り抜ける

美しさを最優先に

開発の進む東京・湾岸エリア。Oさんご夫妻は、2005年に建てられた大規模マンションの1室を約2年前にリノベーションした。
「以前は渋谷に住んでいたのですが、子供が生まれるタイミングで、子育てにふさわしい環境を探していて。ここは近くに大きな公園があるし、周辺の施設も充実していました」
写真が趣味だという妻が気に入ったのが、リビングへの光の入り方。西向きに設けられた大きな窓から入るやわらかな光が、廊下まで届けられる。
「すぐに購入を決めて、気に入った事例の多かったnuリノベーションに依頼しました。ちょうど下の階の部屋をリノべされていたので、設備のことなどよく分かっていたり、色々と好条件が重なったんです」
76.67㎡の2LDKをスケルトンにして3LDKに。
「“シームレス”をテーマに考えていきました。子供がいるし、家族で集えるようリビングは広くするのが希望でしたが、生活というよりも美しさが優先(笑)。継ぎ目とノイズのない美術館のような空間を目指しました」
リビングの一部を仕切っていたアコーディオンカーテンを撤去し、広々としたミニマムな空間に。

リビングの一部を仕切っていたアコーディオンカーテンを撤去し、広々としたミニマムな空間に。

ラインを揃えることにこだわった。ひっそりと佇むキッチンは、廊下から杢目で連続している。

ラインを揃えることにこだわった。ひっそりと佇むキッチンは、廊下から杢目で連続している。

大きな開口から自然光が差し込む。

大きな開口から自然光が差し込む。

家具が映えるモールテックスの床

まずこだわったのが、大窓からの光を活かすこと。玄関から、段差のないフラットな床がシームレスに繫がり、ガラスのテンパードアの向こうに、自然光が差し込むリビングが広がる。床は全面モールテックスで統一。
「家具が好きなのですが、置きたいものを考えたときに、フローリングでは合わなくて。最初はリビングだけにしようと思ったのですが、他の素材に切り替えると、継ぎ目ができてしまいます。コスト的に悩んだのですが、廊下、個室と広がって、水廻りも含めてもう全部やってしまおうと」
色はグレーなども考えた結果、白を選択。仕上がりのムラ感にもこだわり、左官屋さんにサンプルを見せて微妙な雰囲気を伝えた。
「工事中に何度も足を運んで、光の当たり具合を確認したりして。かなり面倒くさい施主でしたね(笑)」
スイッチパネルやインターホンなどは、クローゼットの中などの見えない位置に。ノイズとなるもののない白い空間は、静謐な空気感に包まれる。

上がり框がなく、フラットにつながる玄関。靴は入り口付近で着脱。

上がり框がなく、フラットにつながる玄関。靴は入り口付近で着脱。

右手は全面クローゼットになっている。杢目の壁にみえるようデザイン。スイッチパネルは扉の内側に。

右手は全面クローゼットになっている。杢目の壁にみえるようデザイン。スイッチパネルは扉の内側に。

廊下を抜けると、やわらかなトーンの白い空間が現れる。

廊下を抜けると、やわらかなトーンの白い空間が現れる。

モールテックスの床は、光の反射により表情を変える。

モールテックスの床は、光の反射により表情を変える。

家具として考えたキッチン

白で仕上げる一方で、杢目の壁が空間のアクセントのようになっている。廊下を活かして設けた大容量のクローゼットから水廻り、キッチンまでをウォルナット色の壁面で連ねた。
「SNSで見たスウェーデンのある家の事例で、杢目の入ったデザインを見て、取り入れたいと思いました。これも微妙に違う色合いのサンプルを、現場で何度も確認して決めました」
キッチン、洗面台はすべて造作で。キッチンは、入れたかった食洗機のサイズに合わせて、60cmのタイルを壁にあしらい、キッチン収納は縦のラインで揃えた。
「当初、アイランドを提案されたのですが、リビングを広く取るのと、すっきりと見せるために壁づけにしました。“ザ・キッチン”にならないよう、空間に自然に溶け込ませて、家具のひとつのように見せたかったんです」
掘り込みの取っ手を使った、壁の一部のように見えるドアを開くと、シンプルで清潔な洗面室が現れる。
「ラインを揃えることにこだわりました。機能性重視のミラー照明やタオル掛けなども取り付けていません」
日常感が出やすいユーティリティも、生活感を排除。Oさんご夫妻の美意識が感じられる。
廊下から続くウォルナット色の面材でキッチンを造作。壁付けにすることですっきりとさせた。

廊下から続くウォルナット色の面材でキッチンを造作。壁付けにすることですっきりとさせた。

バスルーム、洗面、クローゼットが箱のように一体化されている。

バスルーム、洗面、クローゼットが箱のように一体化されている。

廊下の扉を開くと、クローゼットが現れる。

廊下の扉を開くと、クローゼットが現れる。

Boschの食洗機の幅に合わせて、キッチン収納の扉、壁面のタイルの幅を揃えた。レンジフードの位置もバランスを考えて配置。水栓、レンジフードはマットなステンレスをセレクト。

Boschの食洗機の幅に合わせて、キッチン収納の扉、壁面のタイルの幅を揃えた。レンジフードの位置もバランスを考えて配置。水栓、レンジフードはマットなステンレスをセレクト。

引き出しの横のラインが出るのを避けるため、中で分割するシステムに。

引き出しの横のラインが出るのを避けるため、中で分割するシステムに。

家電はパントリーで目隠し。冷蔵庫もマットなシルバーに。お気に入りの写真家の作品を、写真集からコピーして額装している。

家電はパントリーで目隠し。冷蔵庫もマットなシルバーに。お気に入りの写真家の作品を、写真集からコピーして額装している。

扉を開けると、キッチン台と同じ高さに揃った洗面台が現れる。

扉を開けると、キッチン台と同じ高さに揃った洗面台が現れる。

最小限の機能だけを備え、ミニマムなデザインに。

最小限の機能だけを備え、ミニマムなデザインに。

異素材ミックスの家具を主役に

家具好きが高じて、本職に加えて海外インテリアのECサイトの運営をコロナ禍より始めたというOさんご夫妻。
「スチールやガラスなど異素材がミックスされたデザインが好きなんです。そこから空間全体をイメージしています」
廊下まで光を通すテンパードアは、ガラスのドアと取っ手をそれぞれ選んで造作したもの。シルバーの取っ手が店舗のような雰囲気を出している。フリッツ・ハンセンのスーパー楕円テーブルの脚と同じく、マットなシルバーを選択した。
「他のドアの掘り込みの取っ手や、キッチンの水栓などもマットなシルバーを選んでいます。本当に、細かいところまでこだわって、やりたかったことを全部詰め込んだ感じです」
リーン・ロゼのトーゴ、USMハラーのモジュラーシステムなど名作家具に、オリジナルでデザインしたというオーダーメイドの一枚ガラスのデスクなどが鎮座する空間で、リノベーション時のことを回想するおふたり。
「ノイズのある空間にいると、どこか落ち着かないんです。ここは好きなものに囲まれているので、落ち着いて暮らすことができます。作品として完成させられたことに満足していますね。」
フリッツ・ハンセンのスーパー楕円テーブルを。マットなシルバーの脚が、素材選びのベースになっている。

フリッツ・ハンセンのスーパー楕円テーブルを。マットなシルバーの脚が、素材選びのベースになっている。

オリジナルデザインの1枚ガラスのデスク。奥行きのあるサイズを希望して造作した。

オリジナルデザインの1枚ガラスのデスク。奥行きのあるサイズを希望して造作した。

リーン・ロゼのソファに、USMハラーのチェストが置かれた、寛げるリビング。

リーン・ロゼのソファに、USMハラーのチェストが置かれた、寛げるリビング。

オリジナルデザインのチェストの上に本を積み上げて、ここだけ無造作にディスプレイ。

オリジナルデザインのチェストの上に本を積み上げて、ここだけ無造作にディスプレイ。

パーツを選んで造作したテンパードア。大きな取っ手がオフィスや店舗を思わせる。

パーツを選んで造作したテンパードア。大きな取っ手がオフィスや店舗を思わせる。

扉はすべて掘り込み取っ手で。マットなシルバーで存在感をカット。

扉はすべて掘り込み取っ手で。マットなシルバーで存在感をカット。

ベッドルームまでモールテックスで贅沢に。

ベッドルームまでモールテックスで贅沢に。

今後はリビングの天井にイサム・ノグチのAKARIを導入する予定。現在はフラットでまっさらな天井に、電気配線を内蔵している。

今後はリビングの天井にイサム・ノグチのAKARIを導入する予定。現在はフラットでまっさらな天井に、電気配線を内蔵している。

Ranking Renovation