暮らしのデザインPart2 トライアンドエラー&トライで ものの住所を決める

暮らしのデザインPart2 トライアンドエラー&トライで
ものの住所を決める

“かける収納”で手間を省く

「ミニマリストではないので、ものが捨てられなかったんです」という、整理収納・ライフアドバイザーの窪嶋真弥さん。マイホーム新築をきっかけに整理収納の勉強を始め、暮らしを見直すことに。Part 1では美しいLDKを公開していただいた。Part2では家族4人+愛犬1匹の生活に必要なものの収め方を見せていただく。
 

「買い物は好きだし、ものを捨てるのは苦手。でも、ものの適正量を学んだことで枠に収めるということを考えるようになりました。もの選びには時間をかけ、服も必要でなくなったらリサイクルに回すようにしています」。
夫と2人分のクローゼットはベッドルームに併設。冬もののアウター以外は、オールシーズン分をここに収めている。
「基本は“かける収納”にしています。こうしておくとひと目見ただけでコーディネートができ、時短につながり、管理もラクなんです」。
シーズン毎にゾーニングしてかけて収納。その中にもルールがある。
「いちど着た服はゾーンの中のいちばん右側にかけています。すると左側ほど着ていないもの、ということが分かり、断捨離の際に役立ちます」。
ここに収まる分量と決めているので、それに合わせてハンガーの本数も指定。そうしておくと、無駄に服が増えることがない。
「ハンガーはマワハンガーがお気に入りです。洗濯してベランダで干すのに使い、乾いたらそのままクローゼットへ。かけかえるひと手間が減らせるんです(笑)」。

コート類以外1年分の服を収めるクローゼット。右側が夫、左側が窪嶋さんのスペース。上段には無印良品のソフトボックスを使用し、バッグやストール、水着などをアイテム別に収めている。引出しにはジーンズやヨガウエア、シーツ類などを。

コート類以外1年分の服を収めるクローゼット。右側が夫、左側が窪嶋さんのスペース。上段には無印良品のソフトボックスを使用し、バッグやストール、水着などをアイテム別に収めている。引出しにはジーンズやヨガウエア、シーツ類などを。

ニットなどをかけても肩がきれいに収まり、服の型が保たれるマワハンガーがお気に入り。ベランダのもの干しでもクローゼットでも活躍。

ニットなどをかけても肩がきれいに収まり、服の型が保たれるマワハンガーがお気に入り。ベランダのもの干しでもクローゼットでも活躍。

夫のクローゼット上段では、洗濯後にアイロンをかける服を1週間分まとめてソフトボックスに入れて保管している。

夫のクローゼット上段では、洗濯後にアイロンをかける服を1週間分まとめてソフトボックスに入れて保管している。

ベランダのスリッパは、100円ショップのフィルムフック+メールboxを活用して室内に。出しっ放しなのが気になっていて思いついたアイデア。

ベランダのスリッパは、100円ショップのフィルムフック+メールboxを活用して室内に。出しっ放しなのが気になっていて思いついたアイデア。

小学生の次男の部屋もこの通りすっきり。カーテンはレースを内側にすることで明るい印象に。

小学生の次男の部屋もこの通りすっきり。カーテンはレースを内側にすることで明るい印象に。

どこにあると便利か、を考える

洗面、バスルーム、トイレが一体となった明るいサニタリーは、必要なグッズを収めつつ、余白も大事にされている。
「オープンな棚ではディスプレイを楽しみつつ、扉や引出しの中は試行錯誤を繰り返して、使いやすくしています」。
引出し式で中身が取り出しやすい洗面台下の収納や、洗面鏡裏の収納に必要なグッズを。背面の棚には、いつも使う掃除用洗剤などを余裕を持たせて美しく陳列している。
「三面鏡を使ってメイクするので、化粧品はここにあるのが便利です。スタメンを並べてみて収め方を考えました。収納には、手に取りやすい無印良品のアクリルシリーズが役立っていますね」。
置き場に困っていたビューラーは鏡裏にフックをつけて吊るした。歯ブラシも鏡裏を利用して吊るす式にしたところ、清潔が保たれて掃除の手間も減ったそう。
腰より低い位置の収納は、観音扉よりも引出し式が取り出しやすくて便利。ファイルボックスなどを使って、洗面台で必要なものを仕分けして収めている。奥の扉つきの棚には、タオルやお子さんのバスルームでの着替えセットを。背面には主に掃除用洗剤やグッズを、ディスプレイ感覚で収めている。

腰より低い位置の収納は、観音扉よりも引出し式が取り出しやすくて便利。ファイルボックスなどを使って、洗面台で必要なものを仕分けして収めている。奥の扉つきの棚には、タオルやお子さんのバスルームでの着替えセットを。背面には主に掃除用洗剤やグッズを、ディスプレイ感覚で収めている。

窪嶋さんのメイクコーナー。扉裏にフックをつけてビューラーを。見やすく取り出しやすい工夫を試行錯誤。

窪嶋さんのメイクコーナー。扉裏にフックをつけてビューラーを。見やすく取り出しやすい工夫を試行錯誤。

ヌメリが起きやすい歯ブラシスタンドに悩み、山崎実業のtowerシリーズを使って吊り下げ式に変更。100円ショップのシールつきマグネットを2枚貼り付け、固定している。

ヌメリが起きやすい歯ブラシスタンドに悩み、山崎実業のtowerシリーズを使って吊り下げ式に変更。100円ショップのシールつきマグネットを2枚貼り付け、固定している。

サニタリーにつながる廊下は、天気の悪い日のもの干し場に。ハンガーやサーキュレーターなどをスタンバイ。キャスターつきで動かしやすいのがポイント。

サニタリーにつながる廊下は、天気の悪い日のもの干し場に。ハンガーやサーキュレーターなどをスタンバイ。キャスターつきで動かしやすいのがポイント。

生活の要となる収納を設ける

家を建てるにあたって、窪嶋さんがリクエストしたことのひとつは、玄関の近くに収納を設ける、ということ。大容量のシューズクロークやストレージに、外出時に必要なものやストック類などを保管している。
「小学生の次男が野球をやっているので、シューズクロークには野球グッズも収めています。重宝しているのはフック。壁にかけることで床面積が広くなり、狭いスペースでも使いやすくなるんです」。
玄関をあがって直行する洗面台の脇には、タオルやティッシュ類、買い物時のエコバック、さっと持ち出せる防災グッズなどを収める収納を。リビング入り口には階段下収納も設けた。
「階段下は家族が家に入って必ず通るところなので、要の場所だと思っています。ここにはマスクや薬、診察券、替えの電池や掃除用品を収めています」。
家族も取り出しやすいように、アイテム毎に丁寧に仕分けしてラベリング。使用している無印良品の引出しは、少し前に半透明からホワイトグレーに変更し、気分を変えて楽しんでいる。
「引っ越して6年経ちますが、その時々で使いやすさも変わってくるので試行錯誤をしています。トライアンドエラー…&トライ(笑)ですが、その時間も楽しいです」。
家族全員が帰宅時に必ず通る位置にあり、大切なものを収めている「階段下収納」。奥行きがあるので最初に可動棚を設けた。引出し収納は以前のものと同サイズのホワイトグレーのものに取り替え、気分をチェンジ。

家族全員が帰宅時に必ず通る位置にあり、大切なものを収めている「階段下収納」。奥行きがあるので最初に可動棚を設けた。引出し収納は以前のものと同サイズのホワイトグレーのものに取り替え、気分をチェンジ。

ティッシュやマスクなど外出時に必要なものを。薬は市販薬と処方されたものとを分けている。  

ティッシュやマスクなど外出時に必要なものを。薬は市販薬と処方されたものとを分けている。

フックを取り付けて掃除道具を浮かせる収納に。デッドスペースも活用できて便利。

フックを取り付けて掃除道具を浮かせる収納に。デッドスペースも活用できて便利。

玄関付近にある洗面台の脇にも収納を。いちばん下にはキャスター付きの台を活用し、ミネラルウォーターをストック。

玄関付近にある洗面台の脇にも収納を。いちばん下にはキャスター付きの台を活用し、ミネラルウォーターをストック。

人別に使うスペースを決めているシューズクローク。フックを取り付けて壁面も活用することで、収納力をアップ。

人別に使うスペースを決めているシューズクローク。フックを取り付けて壁面も活用することで、収納力をアップ。

玄関ドア内側ではマスクホルダーが大活躍。犬のリードや日焼け止めなど散歩時に必要なものをここにスタンバイ。

玄関ドア内側ではマスクホルダーが大活躍。犬のリードや日焼け止めなど散歩時に必要なものをここにスタンバイ。

和室の押し入れ。手前の引出し収納には、犬グッズやシーズンもののイベントグッズなどを。いちばん奥は防災備蓄品。重いのでここでもキャスターが活躍。

和室の押し入れ。手前の引出し収納には、犬グッズやシーズンもののイベントグッズなどを。いちばん奥は防災備蓄品。重いのでここでもキャスターが活躍。

整理収納・ライフアドバイザーの窪嶋真弥さん。整理収納サポートを通して自分らしい暮らしをデザインする「DESIGN LIFE」主宰。住宅メーカー等でのセミナーを開催するほか、テレビやラジオにも出演。

整理収納・ライフアドバイザーの窪嶋真弥さん。整理収納サポートを通して自分らしい暮らしをデザインする「DESIGN LIFE」主宰。住宅メーカー等でのセミナーを開催するほか、テレビやラジオにも出演。

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