7〜8割を意識する余白収納Part1 今使うモノだけを揃えて モノのための家から人のための家へ

7〜8割を意識する余白収納Part1今使うモノだけを揃えて
モノのための家から人のための家へ

余白から生まれる心のゆとり

「我が家の整理収納は“狭い”がスタートでした」という、整理収納アドバイザーの清水幸子さん。
「娘が生まれて双方の親から色々なプレゼントをもらい、どう収めるかを考えたのが、整理収納に興味を持つきっかけでした」。
以前暮らしていた90㎡以上の3LDKから、現在は55.5㎡の2LDKに。よりコンパクトになったが、これまで暮らした家の中で最も使いやすく、いちばん楽しく過ごせているのだそうだ。
「たくさんのモノを手放しましたが、本当に必要なモノだけを揃えることで、“モノのための家から人のための家”に変えることができました。不要なモノの代わりに、家族のための空間と観葉植物など癒しアイテムが増え、心のゆとりを感じつつ暮らせるようになりました」。
収納スペースも決して豊富とは言えない住空間。その中でいちばん容量が多く、清水家の“メイン収納”と決めて活用している押し入れから見せていただいた。
築40年、海の見えるリゾートマンションの1室に家族3人で入居。6畳の和室に備わった押し入れを“メイン収納”に。

築40年、海の見えるリゾートマンションの1室に家族3人で入居。6畳の和室に備わった押し入れを“メイン収納”に。

オフィス化を図ったメイン収納

「大きな収納場所はここだけなので、フルに活用しています。中学生の娘のモノは、今は子ども部屋に移動させ、夫とふたり分の衣類や寝具、家族共有の文房具などを収めています」。
無印良品の衣装ケースや、オープンラックを活用してゾーニングして収納。衣装ケースやボックスなどにはラベリングし、収納バッグにもネームタグを付けている。
「ラベリングは本当に大事です。モノの位置を家族にも把握してもらい、使ったら元に戻してもらうことで、私もとても楽になりました」。
人別に収めているモノは色分けしたラベルを。こうすることで誰のモノかがひと目で分かる。
「ラベルに加えて役に立っているのがナンバリングです。モノの定位置が決まるので、格段に片付けやすくなります」。
これは、定位置管理の重要性を学んだ、幸子さんの銀行員時代の経験から生まれたアイデアだそう。オープンラックのファイルは、“取扱い説明書”、“セミナー資料”などのラベリングとともに、1つ1つナンバリングされている。
「自分が把握するだけでなく、外出先で必要なデータがあったとき、何番の○○の書類を見て」など、家族に指示が出しやすくなるんです」。
家族共有の文房具を収めた衣装ケースの引き出し内も、分かりやすいように工夫。
「いちばん役立っているのは、病院グッズセット。ファスナー付きのソフトビニールケースに、保険証や診察券などを家族別にひとまとめにしています。ファスナー部分の色で誰のモノかも一目瞭然なので、緊急時に私がいなくても安心です。収納のポイントは、考える時間をなくして効率化を図ること。私は我が家も小さなオフィスだと思っています」。
オープンラックにはファイルボックスや収納ケースを活用。白で統一することですっきりとさせている。

オープンラックにはファイルボックスや収納ケースを活用。白で統一することですっきりとさせている。

衣装ケースはマスキングテープで色分けし、その上に透明なラベルを貼ってラベリング。引き出しのサイズに合わせてカットしたプラスチックダンボールを使って、中身を目隠し。

衣装ケースはマスキングテープで色分けし、その上に透明なラベルを貼ってラベリング。引き出しのサイズに合わせてカットしたプラスチックダンボールを使って、中身を目隠し。

各種書類をアイテム別に収めたファイルボックス。ラベリングに加えてナンバリングをすることで定位置をキープ。

各種書類をアイテム別に収めたファイルボックス。ラベリングに加えてナンバリングをすることで定位置をキープ。

文房具は衣装ケースの引き出し1段に。病院グッズは人別に分けてソフトビニールケースに入れている。クリップなど散らかりがちな小物もケースを活用。ペンなどは立てて収めることで取り出しやすく。

文房具は衣装ケースの引き出し1段に。病院グッズは人別に分けてソフトビニールケースに入れている。クリップなど散らかりがちな小物もケースを活用。ペンなどは立てて収めることで取り出しやすく。

ナンバリングされたファイルボックス。ボックス内にも仕切りを活用しラベリングして管理することで、必要なモノをさっと取り出せるようにしている。

ナンバリングされたファイルボックス。ボックス内にも仕切りを活用しラベリングして管理することで、必要なモノをさっと取り出せるようにしている。

タイツ、ストッキングは1足ずつチャック付き袋に。デニール数やカラーもラベリングしておくことで、忙しい朝に探す手間を防いでいる。

タイツ、ストッキングは1足ずつチャック付き袋に。デニール数やカラーもラベリングしておくことで、忙しい朝に探す手間を防いでいる。

衣類は1枚ずつ、上から見分けられるように立てて収納。グラデーションを意識して収めることで選びやすくなる。

衣類は1枚ずつ、上から見分けられるように立てて収納。グラデーションを意識して収めることで選びやすくなる。

収納バッグの中はシーズンオフの布団。DIYで作った木製のコの字型ラックを使って空間を確保し、ボックスを置いてアイロンなどをアイテム別に保管。

収納バッグの中はシーズンオフの布団。DIYで作った木製のコの字型ラックを使って空間を確保し、ボックスを置いてアイロンなどをアイテム別に保管。

オープンラックに一時保管ボックスを置き、作業途中の書類を仮置き。衣装ケースの手前には、脱いだ衣類を仮置きできるケースも置いている。

オープンラックに一時保管ボックスを置き、作業途中の書類を仮置き。衣装ケースの手前には、脱いだ衣類を仮置きできるケースも置いている。

布団は立てて収納することで取り出しやすく。ネームタグをつけて管理することで探し出す手間が不要になる。

布団は立てて収納することで取り出しやすく。ネームタグをつけて管理することで探し出す手間が不要になる。

服はアイテム毎に分けながら、ハンガーもストローを使って人別に色分け。“かける部分が薄い金属製で、滑りにくいハンガー”を愛用している。

服はアイテム毎に分けながら、ハンガーもストローを使って人別に色分け。“かける部分が薄い金属製で、滑りにくいハンガー”を愛用している。

平安伸銅工業のDIYパーツ「丸棒シリーズ」で作った洋服ハンガーを使用。清水さんと夫のかけておく衣類はここだけで完結。

平安伸銅工業のDIYパーツ「丸棒シリーズ」で作った洋服ハンガーを使用。清水さんと夫のかけておく衣類はここだけで完結。

詰め込まないシューズクローゼット

家の顔ともいえる玄関。清水邸では、玄関たたきに出しっ放しにしているモノがないうえ、シューズクローゼットを開いても余白があり、すっきりとして清潔感が感じられる。
「収めるモノは7〜8割にして“余白収納”を心がけています。靴や傘なども、全て使うモノだけを揃えています」。
折り畳み以外の傘は家族それぞれに1本、プラス予備に1本だけ。突っ張り棒をうまく活用し、余白を残しつつ収納力を高めている。
「突っ張り棒は2〜3本組み合わせて棚をつくるなど工夫を施し、我が家の色々な場所で活用しています。他にシューズクローゼットで愛用しているのはシューズストッカー。空間を有効的に使えるんです」。
小物を活用して収納力を高め、便利に暮らすアイデアがあちこちに。Part2ではキッチンや水廻りの収納テクニックを公開する。
シューズクローゼットはこの棚ひとつ。使うモノだけを収めている。

シューズクローゼットはこの棚ひとつ。使うモノだけを収めている。

突っ張り棒を渡して空間活用。シューズハンガーを使ってスリッパを吊り下げ式に。お店のディスプレイを見て思いついたアイデア。

突っ張り棒を渡して空間活用。シューズハンガーを使ってスリッパを吊り下げ式に。お店のディスプレイを見て思いついたアイデア。

缶ストッカーが、折り畳み傘や靴用スプレーの収納にぴったりだった。その上段で使っているのが、1足分のスペースに2足収められるシューズストッカー。

缶ストッカーが、折り畳み傘や靴用スプレーの収納にぴったりだった。その上段で使っているのが、1足分のスペースに2足収められるシューズストッカー。

キーケースは、手に取りやすい位置にフックで吊るして。パンプスはつま先に手をかけて取り出すので、前向きにスタンバイ。

キーケースは、手に取りやすい位置にフックで吊るして。パンプスはつま先に手をかけて取り出すので、前向きにスタンバイ。

突っ張り棒を渡して設置したボックスにレインコートを。使用頻度が低いので、高い位置でOK。

突っ張り棒を渡して設置したボックスにレインコートを。使用頻度が低いので、高い位置でOK。

整理収納アドバイザー・清水幸子さん。住まいとオフィスの整理収納を提案。著書に「片づけを楽しむ、好きになる。」 (Gakken) がある。長女の清水麻帆さんは、史上最年少整理収納アドバイザー。

整理収納アドバイザー・清水幸子さん。住まいとオフィスの整理収納を提案。著書に「片づけを楽しむ、好きになる。」(Gakken)がある。長女の清水麻帆さんは、史上最年少整理収納アドバイザー。

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