
タウンハウスのリノベ海外生活の経験を活かし、
楽しみながら家を造る
玄関を開けた瞬間に感じる自分らしさ
緑溢れる環境にゆったりと建つ築43年のテラスハウス。50件ほど内見に足を運び、実家近くに理想的な物件を見つけた東 純子さん。98㎡の広々とした家は子育てもしやすそうだ。
東さんは高校でイギリスに留学、大学は建築学部に通い、ニューヨークに渡ってインテリアを学んだ経歴を持つ。現在は『toolbox』に勤務している。
インテリアを仕事にしている東さんが、いよいよ自分のための初めての家づくりに取り組むことになった。
「海外で学んだのは、歴史のある空間を大切に整える住まい方です。私もその感覚を大切にしながらリフォームしました。
壁式構造なので間取りの変更がしづらいのですが、私は敢えて既存の建物を活かすことを楽しみました」。
唯一壁を撤去したのが、玄関を入って正面にある洗面所の壁。
「壁を壊して洗面所に光を入れたいと思いました」。
ここにオブジェのような『toolbox』の「スクールシンク」を設置し、赤いカーテンとカラシ色の床材を選び、玄関を開けるた瞬間に広がる印象的な東さんのお宅の風景ができあがった。
「今後はもっと飾りを増やして、自分らしさ溢れる空間にしていきたいです」

赤いカーテンとからし色の床と洗面台。東さんのお気に入りは、家に帰った時に最初に目に飛び込んでくるこの景色。「ニューヨークでルームメイトが赤いカーテンで間仕切りしていて、いつか取り入れてみたかったことのひとつでした」

タオル掛けがもともと付いているシンプルな洗面台は『toolbox』の「スクールシンク」。横幅をサイズオーダーできる。 「洗面台を飾りのように見せたくて、鏡は壁につけるのではなく自分でつけた飾り棚の上に立てかけています」

玄関と洗面の壁はクロスを剥がして駆体現しに。

洗面台を中心に、グルリと回遊ができる動線。写真右手は習字の先生をしているお母様の作品。

階段の踊り場で本を読むことも。

階段の吹き抜けから差し込む光が気持ちいい。天井高は5mある。

タイルを剥がしてコンクリート現しにした玄関。ベビーカーも置ける余裕のある広さ。
フローリングを黒に塗装
リノベーションの施工パートナーは、『toolbox』でフルオーダーリフォームを手掛ける『TBK (ツールボックス工事班) 』。『toolbox』のアイテムを熟知した工事班と東さんが阿吽の呼吸で工事を進めた。
「やりたかったことのひとつに黒のフローリングの床がありました。海外のアンティークショップの黒い床の、使い込まれたハゲ感に憧れがありました。フローリングに塗装は一般的ではないのですが、『TBK』が手掛けた実験的リノベーションで、既存のフローリングの上から塗装をしていたのを見て背中を押されました」
ダイニングキッチンの床はブルーグレーに塗装。白のキッチンが映える。

清潔感溢れる白のキッチンは、『toolbox』の『ユニキッチンシステム』。開き戸と引き出しタイプを組み合わせ、食洗機も入れた。天板はクォーツストーン。飾り棚は赤に。

ダイニングテーブルはニッチに合わせて造作されたベンチコーナーの前に。ニッチの壁には『toolbox』の『クラシックリブパネル』を貼った。

ベンチは壁からせり出すようにしてつけ、角に丸みを持たせたデザインに。

野菜のオーナメントが可愛いペンダントライトは、東さんがIKEAの照明をカスタムしたもの!

「キッチンは遊んでみようと思い、床のブルーグレーは現場で調色して決めました」
余白を残したリフォーム
広々としたリビングは、床の塗装と壁のクロスの張り替えだけを行った。
「入居前にすべてを整えるのではなく、手を入れる余白があるほうが楽しみが増します」
2階は4室あるうちの1室をリフォームした。畳を外して駆体現しのモルタルに。
今後、タイルを貼ったりなど、アップデートさせる前提とのこと。
「入居前にやっておいたほうがいい工事と、住んだ後でもできることを分けて考えることで、予算を抑えてリノベーションをすることができました。
今がゴールではなく、住みながら家づくりを楽しんでいきたいと思っています」。

IKEAの収納家具を両サイドに置き、レッドパインの天板を渡して塗装。リビングに子どものコーナーをDIYした。「ガーランドは1歳の誕生日に作ったものです」

シンプルなリビングがどんなふうに進化していくのか楽しみだ。桐箪笥は曽祖父が使っていたもの。

和室だった寝室は、畳を外して下から出てきたモルタルを生かした。

寝室の床は畳を外して下から出てきたモルタルに防塵塗装。手前の廊下は黒でペイントしたフローリング。
