収納力に優れたワンルーム 広い土間空間を取り入れた ワークスペース兼趣味の空間

収納力に優れたワンルーム広い土間空間を取り入れた
ワークスペース兼趣味の空間

秘密基地のような空間を目指してリノベーション

町田市の大通りに面した立地に建つ築35年のマンションのオーナーである大野恭平さん。今年7月、広さ27.70㎡あるマンションの一室を、自身のワークスペース兼アウトドア用品の収納やDIYの作業場など趣味のための空間へとリノベーションした。
「コロナ禍で在宅ワークが続いていたのですが、家族と暮らしている家だと、どうしても集中しづらくて、仕事の効率が悪くなっていました。そう感じていたタイミングで所有しているこのマンションの部屋が空いたので、仕事場を兼ねた趣味の秘密基地を目指してリノベーションを行いました。将来的には、子どもに一人暮らしさせたり、部屋を貸し出したりする選択肢も考えています」(大野さん)。

設計は、ディンプル建築設計事務所を主催する建築家の堀泰彰さんに依頼した。「今家族と暮らしている家は、建築家に設計を依頼してつくったんです。そのときの経験がとても楽しかったので、今回のリノベーションも建築家に依頼しようと考えていました。堀さんとは、毎週水曜日に高尾山で行っているトレイルランニングの練習会で出会い、3年ほどの付き合いになります。リノベーションを検討するなか、WEBサイトで堀さんの設計事例を見て、かっこいいな!と思い設計をお願いすることにしました。リノベーションを決めた理由はさまざまありますが、結局人と何かを作るのが楽しいからってことに尽きるかもしれませんね(笑)」(大野さん)。

もともとは2Kだった間取りをワンルームにリノベーション。水回りの位置はそのままに、できるだけオープンな空間を目指した。

もともとは2Kだった間取りをワンルームにリノベーション。水回りの位置はそのままに、できるだけオープンな空間を目指した。

さまざまな作業に耐えられるように、腰壁までをモルタル、什器をアートテックス仕上げにして耐久性を上げている。

さまざまな作業に耐えられるように、腰壁までをモルタル、什器をアートテックス仕上げにして耐久性を上げている。

モルタルのグレーと壁の白のコントラストが、シンプルながらもスタイリッシュな印象の水回り。

モルタルのグレーと壁の白のコントラストが、シンプルながらもスタイリッシュな印象の水回り。

奥には造作の本棚を設置。ベッドを置くことができる程度の広さを確保している。

奥には造作の本棚を設置。ベッドを置くことができる程度の広さを確保している。

白を基調としたシンプルな設えのトイレ。縦型の造作棚はたっぷりと収納することができる。

白を基調としたシンプルな設えのトイレ。縦型の造作棚はたっぷりと収納することができる。

利便性のよい土間スペースと収納力のある空間

今回のリノベーションのポイントとなったのが、広々とした土間スペースだ。堀さんは「大野さんから最初に要望として上がったのが土間でした。設計においては、この土間を中心にプランを作成していきました。ゆとりのある土間スペースは作業空間、床を一段上げたフローリングスペースは日常空間として、モルタル仕上げの腰高のラインでひと続きになるように考えました」と語る。
また、PCデスクを兼ねた作業台は、土間スペースとフローリングスペースの両側からそれぞれ立った状態と座った状態のどちらでも使えるように高さを調節している。「DIYが好きなので、いろいろな工具を使う場所としての用途の他に、シルクスクリーンのプリントなども趣味でやっているので、そういった作業を集約してできる作業台があれば便利だなと思い要望しました」と大野さん。
さらにアウトドア用品や工具などをすっきりと収納できるように、有孔ボードや造作棚など随所に収納スペースを確保しているのも特徴の一つだ。「作業場としてラフに使えるように『見せる収納』を意識して設計を進めました」(堀さん)。
世界中にユーザーがいるWEBサービスのエンジニアを務めている大野さん。日々世界中にいるチームメンバーと連携して業務に取り組んでいる。

世界中にユーザーがいるWEBサービスのエンジニアを務めている大野さん。日々世界中にいるチームメンバーと連携して業務に取り組んでいる。

玄関から正面を見る。作業台は土間スペースとフローリングスペースの両側から使えるように高さを調整している。

玄関から正面を見る。作業台は土間スペースとフローリングスペースの両側から使えるように高さを調整している。

作業台にも奥行きのある収納スペースを設けている。「重いものも入れられるカインズホームのコンテナがちょうど入るサイズになっています」(大野さん)。

作業台にも奥行きのある収納スペースを設けている。「重いものも入れられるカインズホームのコンテナがちょうど入るサイズになっています」(大野さん)。

フローリングスペース側には、文庫本が収まるサイズの造作棚を設えた。

フローリングスペース側には、文庫本が収まるサイズの造作棚を設えた。

今回のリノベーションで最も打ち合わせを重ねたというコンセント。「使い勝手のよさを考慮してコンセントの位置と数には特にこだわり、堀さんとはLINEで何往復もしましたね(笑)」と大野さん。

今回のリノベーションで最も打ち合わせを重ねたというコンセント。「使い勝手のよさを考慮してコンセントの位置と数には特にこだわり、堀さんとはLINEで何往復もしましたね(笑)」と大野さん。

過程を知っているから愛着が生まれる

堀さんとともに、楽しみながらリノベーションを行った大野さん。仕上がりについて伺うと、「普通のメーカーや業者にはない堀さんならではの設計はとても気に入っています。やはり自分では発想できないようなアイデアじゃなければ、人に頼む意味がないと思うので、そういう意味でもとても満足感があります。どういう過程を経てつくったのかわからない家よりも、当然ですが愛着をもてますよね」と語る大野さん。
まだ完成して間もない状態ながらも、使い勝手を追求したこの空間からは、仕事や趣味に打ち込む大野さんの充実した暮らしぶりが伝わってきた。
トレイルランニングのアイテムをはじめとしたアウトドア用品がずらりと並ぶ。

トレイルランニングのアイテムをはじめとしたアウトドア用品がずらりと並ぶ。

自転車を置いても、余裕のある土間スペース。

自転車を置いても、余裕のある土間スペース。

正面の腰高の収納は靴入れとなっている。

正面の腰高の収納は靴入れとなっている。

富士山に登山した経験からアウトドアに興味をもち、トレイルランニング歴は約8年になるという。

富士山に登山した経験からアウトドアに興味をもち、トレイルランニング歴は約8年になるという。

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