自分流の楽しさ溢れる家  センスと熱意で セルフ・リノベーション

自分流の楽しさ溢れる家センスと熱意で
セルフ・リノベーション

アッと驚くシカケが楽しい

107㎡というたっぷりとした広さの川崎市内のマンションをリノベーションし、住み始めて6年になる石田勇介さん。部屋の隅から隅までコダワリと楽しく住まうためのアイディアが満載で、我々取材チームの感嘆の声も上がりっぱなしに。

石田宅にお邪魔してまず目を奪われるのがバスルームのシカケ。部屋の一角にポリカーボネイトの波板で囲われた場所がある。その前面を大きく跳ね上げるとバスタブが現われる。その奥には、雨のように水が落ちるシャワーが設えてあり、内側はガルバリウム鋼板が使われている。

石田邸のリノベーションは、石田さんご本人がプランを考えたセルフ・プロデュース。
「こんな感じのものを作りたいと、大量の資料をもとに、職人さんと話し合いながら作っていただきました」
当時は映像の製作会社に勤めており、多忙を極めていた石田さん。家づくりを行うことも初めての経験でしたが、仕事帰りの深夜にリノベーション中の家に寄り、「ここはこんなふうにして欲しい」とメッセージやイラストを残し、密に職人さんとコミュニケーションをとっていったのだそうだ。

この家づくりがひとつのきっかけとなり、2015年の6月に『toolbox』に加わった石田さん。『toolbox』とは、ユニークな不動産物件を扱うことで人気の『R不動産』のグループサイト。自分の空間を編集していくための道具箱をテーマに、内装建材やリフォームサービスを提供するネットショップだ。その『toolbox』のショールームには、石田さんのアイディアも数多く盛り込まれている。

バスルームが現れるシカケはインパクト充分! ガレージ用のパーツを使い、半透明の波板のドアを跳ね上げてオープン。

バスルームが現れるシカケはインパクト充分! ガレージ用のパーツを使い、半透明の波板のドアを跳ね上げてオープン。

フランス製の石鹸の設置場所に悩んだが、結果、焚き火の薪に取り付けて大正解。

フランス製の石鹸の設置場所に悩んだが、結果、焚き火の薪に取り付けて大正解。

波板を貼った桟に自転車用のチューブを渡し、洋書の棚に。半透明の壁&バスルームとつながる窓が開いているので開放感も。

波板を貼った桟に自転車用のチューブを渡し、洋書の棚に。半透明の壁&バスルームとつながる窓が開いているので開放感も。

買い置きしてあった大理石のドアノブを見つけ、この取材中にサクサクと取り付けてしまう器用な石田さん。

買い置きしてあった大理石のドアノブを見つけ、この取材中にサクサクと取り付けてしまう器用な石田さん。

巨匠の椅子でくつろぐ

照明、蛇口、把手、椅子、壁の仕上げ……、石田宅を構成するひとつひとつのものに、愛着とこだわりが溢れているのがよくわかる。

石田さんのインテリア愛が溢れているのが、巨匠の名作椅子を集めた一角。
「グレーのマーク・ニューソンのオルゴンチェアは18歳の時に買いました。サイズ的にも、18歳にしてはかなり思い切った買い物でしたが、そこから家づくりが始まったと思います」
他にも、ジャスパー・モリソンのシンキングマンズチェアとローパッド、マルセル・ワンダースのノッテッドチェアが顔を合わせる。透明チューブを使った珍しいワシリーチェアも。

木箱やアンティークのゼロハリバートンのスーツケースなど、“箱モノ”を収納に使うのも石田流。ハリバートンのメイクボックスは釣具ケースになっていた。

大きな照明器具が空間を引き締める。左はホーロー製のヴィンテージ、右は『toolbox』でも販売しているファクトリーランプ。

大きな照明器具が空間を引き締める。左はホーロー製のヴィンテージ、右は『toolbox』でも販売しているファクトリーランプ。

インテリアの巨匠たちの名作椅子を並べた場所。

インテリアの巨匠たちの名作椅子を並べた場所。

ジャスパー・モリソンのシンキングマンズチェアでお昼寝するマイケルくん。

ジャスパー・モリソンのシンキングマンズチェアでお昼寝するマイケルくん。

テーブルの天板、通常は床材として使われているもの。寄木細工のフローリングをテーブルにしてしまうアイディア。

テーブルの天板、通常は床材として使われているもの。寄木細工のフローリングをテーブルにしてしまうアイディア。

壁材を剥がした時に残った接着剤の表情がおもしろかったのでそのまま残したそうだ。

壁材を剥がした時に残った接着剤の表情がおもしろかったのでそのまま残したそうだ。

イタリアの自動車ブランド、アバルト純正の木箱。「STANLEYの蝶番は自分でつけました」

イタリアの自動車ブランド、アバルト純正の木箱。「STANLEYの蝶番は自分でつけました」

アイランドキッチンは古家具

料理が趣味という石田さんはキッチンにもこだわった。背の高い石田さんに合わせて、御影石のキッチンのカウンターの高さは935mm。

アイランドキッチンはなんと古家具。天板をくり抜いて、シンクと電気コンロを設置。その隣には、アウトドア用のツーバーナーも。

解体した時に出てきた銅管は、キッチンの壁に取り付け、キッチンツールを吊り下げるバーとして使っている。
「本当はこの銅管を使って棚も作りたかったのですが、『toolboxショールーム』で実現させました」

自身のリノベーションの経験を通して、リノベーションにはどんなものが必要で、ありそうでないものがどういったものなのかを熟知している石田さんは、まさに『toolbox』での仕事は天職。商品開発にも余念がない。

古い家具の天板を抜いて、シンクや電気コンロを埋め込んでキッチンカウンターにしてしまう荒業。

古い家具の天板を抜いて、シンクや電気コンロを埋め込んでキッチンカウンターにしてしまう荒業。

部屋を解体していた時に出た廃材の銅管に道具を吊るす。銅管の色がいい雰囲気。

部屋を解体していた時に出た廃材の銅管に道具を吊るす。銅管の色がいい雰囲気。

キッチンの道具は吊るして収納。トウガラシと、アレッシィのじょうご「Pino」。

キッチンの道具は吊るして収納。トウガラシと、アレッシィのじょうご「Pino」。

ワインセラーの上のディスプレイは奥様の世界なのだとか。「僕と世界観が違うんです(笑)。それがまた面白いんです」

ワインセラーの上のディスプレイは奥様の世界なのだとか。「僕と世界観が違うんです(笑)。それがまた面白いんです」

広いテラスでグリーンを楽しむ。テキスタイルデザイナーの奥様がデザインした傘生地でフラッグを作った。柵には木製のパレットを。

広いテラスでグリーンを楽しむ。テキスタイルデザイナーの奥様がデザインした傘生地でフラッグを作った。柵には木製のパレットを。

アウトドアが好きな勇介さん。部屋のあちこちに、さりげなくアウトドア用品が置かれている。

アウトドアが好きな石田さん。部屋のあちこちに、さりげなくアウトドア用品が置かれている。

石田さんのマンションは電化住宅。「ガスの火も欲しかったので、換気には気を遣いますが、キャンプ用のツーバーナーもサブのコンロとして使っています」

石田さんのマンションは電化住宅。「ガスの火も欲しかったので、換気には気を遣いますが、キャンプ用のツーバーナーもサブのコンロとして使っています」

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